首都圏9月度の契約率は70%割れ
新築はやや鈍化、中古マンションは堅調
不動産経済研究所発表の2012年9月度首都圏のマンション市場動向によれば、2012年9月度の新築マンション発売戸数は3,366戸で、前年同月比9.3%の減少。契約率は69.3%で前月比11.2ポイントのダウン、前年同月比では8.4ポイントのダウンでした。首都圏で契約率が70%を割るのは、昨年8月以来となります。1戸あたりの価格は4,120万円で前年同月比で3.4%のダウン、1平米あたりの単価は58.3万円で6.3%のダウンとなっています。一方、東日本不動産流通機構発表の月例速報によれば2012年9月度の首都圏中古マンション成約件数は2,775件で、前年同月比10.4%増の成約件数。1都3県そろって増加しています。成約平米単価は、37.67万円で前年同月比で2.8%のダウン。成約平均価格は2,492万円で前年同月比0.9%のダウンです。
新築の売れ行きがやや鈍化している一方、中古マンションの売れ行きは堅調です。首都圏の中古マンションの新規登録件数(新規売出し件数)は、2012年9月度は、前年同月比で2.5%減少となっており在庫件数もほぼ横ばいになっています。価格トレンドはダウントレンドが続いていますが、中古マンション市場を見るとエリアによっては底打ちの兆しもあるようです。
好調物件の高い歩留まり
事前の情報収集と高い購入マインド
売れ行き好調な新築マンションの現場をガイドが訪ねて感じるのは、来場者の申込率の高さ。当サイトで紹介し、完売したグレーシアスイート西新井(相鉄不動産)やシティテラス横浜仲町台壱番館(住友不動産)なども高い来場歩留まりです。3,000万円台前後の価格帯のマンションのみならず、5,000万円台前後中心のマンションで申込率が約2割におよぶのは驚きでもあります。申込率が高い要因としてまず考えられるのが、モデルルーム見学前に検討マンションの絞り込みが出来ていること。建設現場をある程度認知していることや、事前の資料請求や物件ホームページから情報収集によって物件の見極めが出来ている点がまず挙げられます。
もうひとつは、来場者の高い購入マインドです。景気の不透明感はあるものの消費税の動向や低い金利水準を踏まえ、今が買い時と考えている人が実際行動にしていることも挙げられます。こうした人々は事前の購入シミュレーションなどもしっかり行っているようです。将来的に購入を検討している人でも、漠然とした不安感で行動に踏み切れない人も多いと思います。特に住宅ローンを組むことは多くの方にとってはじめての経験です。躊躇するのもわかります。住宅金融支援機構の公表している「業態別住宅ローンの新規貸出額及び貸出残高の推移」によれば、平成23年度末の住宅ローン貸出残高は、約180兆円。住宅の購入に当たって、多くの人々が住宅ローンを利用しているのも事実です。ローンを組んでマンションを買うことのリスクはどのくらいあるのでしょうか? 次のページで考えてみましょう。