高性能SUVだけど、ドライバーは優雅に振る舞うだけ
Mクラスの魅力を見る前に、簡単にモデルの変遷内容を押さえておきましょう。先述のとおり、デビュー時は3.5LのM350と5LのM500の2台でした。ステアリング裏側のスイッチでギアをアップ&ダウン可能。ML350は左右独立式エアコン、ML500はさらに前後でも温度を変えることができました。DVDナビは全車標準装備。6連奏CDチェンジャーも備わっています
2007年12月、ML500に代わって新世代の5.5L・V8エンジンを搭載するM550が登場します。続いて2008年10月のマイナーチェンジで内外装のデザイン変更や装備の充実が図られ、さらに2010年5月にはM550に代わって3LディーゼルターボのM350ブルーテックがラインナップに加わりました。
いずれもミッションは7速AT。ただしシフトレバーは運転席と助手席の間にではなく、Sクラス同様、ステアリング根元から右側にレバーがちょこっと伸びているタイプです。この辺からして、他のSUVと比べて優雅ですよね。
とはいっても先述の通り、タフなオフロード走行をこなすだけの機能は備わっています。例えば全車標準装備となるオフロードスイッチを使えば、砂利道や急な下り坂を30km/h以下で走行中「わざと一定の間隔で前輪をロックし、やわらかい路面にタイヤを食い込ませる」なんてことを、自動的に行ってくれます。
随所にアルミがあしらわれた内装は高級感があります。ML500は本革シートとウォールナットパネルが標準装備。またスピーカー数がML350で8、ML500では12個も備わります。ここだけ見ているととてもタフなオフロードも走れるSUVだとは思えませんね
しかし、これもただセンターコンソールにあるスイッチを押せばよいだけ。シフトレバーにせよオフロードスイッチにせよ、ともかくドライバーは優雅にふるまってください、あとは下々のものが万事よしなにしておきますから的な装備と言えるのではないでしょうか。
そもそもこの車を購入される方は、そんな激しいオフロードにあまり足を踏み入れることはないでしょう。むしろ普段のお買い物から休日のドライブといった使い方が多いと思いますが、それこそモノコックボディとなったこのMクラスがメルセデス・ベンツらしい上質な乗り心地を提供してくれます。
このように旧型とはいえメルセデス・ベンツの高級SUVたる風格や機能は、今も色あせていません。しかも旧型になったばかりの今なら古臭く見えませんし、実際まだまだ現役のセレブカー。どこへ出かけてもその姿がまるで葵の紋所のように映って、セレブとしての扱いを受けるかもしれません。
それもまた日本におけるメルセデス・ベンツ車の特権。これを十分享受できる旧型Mクラスが新車時の半額以下、同クラスの国産SUVの新車よりも安く買えるのです。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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