帰りたくなる家はどんな家
学校や勤務先でイヤなこと、つらいことがあっても、ホッとできる家があれば心が安らぐものです。心が安らぐ大きな理由は、家族がいたり慣れ親しんだ空間に身を置くことなどさまざまあるでしょう。帰りたくなる家、ホッとする家とは、どんな家づくりを考えればよいのでしょうか。五感を通して共感覚を育む
帰りたくなる家をつくるには「共感覚」を育てていかなければなりません。この共感覚というのは大脳生理学の専門用語で、何かをみる時、視覚だけでなく聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの感覚をともなった記憶が残ったことを意味します。そう考えると視覚や聴覚などは家族の語らいはもちろん、光や風、緑などが共感覚として植え付けることができ、さらに嗅覚や触覚などは木の香りや素材感などが感じられる空間に身を置くことです。ツルツルとザラザラ
近年の家づくりの特徴は工業化寸法とツルツルした素材が多く使われています。たとえばシステムバス、システム階段、システム家具などです。そしてこれらは強化プラスチックや積層合板で傷がつきにくい塗装で仕上げられています。したがって表面がツルツルとしています。これらに対してやや曖昧なヒューマンスケールとザラザラした素材があります。ヒューマンスケールとはなだらかなやさしい曲面で丸みのある寸法といってもよいかもしれません。ザラザラした素材とはツルツルした素材がビニールクロスとすれば和紙や珪藻土(けいそうど)などです。一言でいうと手触り感のある素材といえます。
ツルツル×ザラザラ