請求の多い水濡れ損害、火災保険ではNGも多数!?

大事なマイホームが欠陥住宅では困ります

大事なマイホームが欠陥住宅では困ります

火災保険で保険金請求が多い事故といえば「水濡れ損害」だそうです。ただし、火災保険において対象とする水濡れ損害とは、「給排水設備の事故あるいは他人の占有する戸室での事故による水濡れ」を原因とするものに限られます。そのため、保険会社に寄せられる事故連絡の中には、支払い対象外のものも少なくないそうです。

損害鑑定人の方に、こんなコワイ事例を伺ったことがあります。

室内に水濡れ損害が生じた火災保険の契約者から、保険会社に事故報告がきたそうです。築20年の3階建て住宅、いわゆるペンシルハウスですが水濡れの原因は分かりません。そこで建物の内壁を剥いでみたところ、黒カビがびっしり、さらにあちこちの柱が白アリ被害により本来の半分ほどに滅失してしまっていたそうです。

どうやら原因は前の所有者が取り付けたベランダで、取り付けにより外壁に亀裂が生じ、さらに内部結露を起こし、これが黒カビと白アリをおびき寄せてしまったというのです。しかし、この被害は火災保険の対象となる「突発かつ偶然な事故」ではなく、建物の亀裂により必然的に起きたこと。カビや白アリによる損害は、そもそも保険金支払いの対象外ですから保険金で修理費は賄えません。

新築は10年保証だが、中古はまったく保証がない場合も

新築住宅については、平成12年「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が定められ、新築後10年間に見つかった住宅の基本構造部分の瑕疵(=欠陥)は、住宅事業者による無償修繕が義務付けられています。修繕を確実にするため、住宅事業者はあらかじめ保険に加入する、あるいは資金を供託するなどして修繕費の資力確保手段を講じることも義務付けられています(2009年「住宅瑕疵担保履行法」の施行)。

つまり、新築住宅なら引き渡し後から10年間は一定の保証を受けることができるわけです。

一方、中古住宅では購入時点で瑕疵(=欠陥)があった場合、最低2年間は売主に修繕の義務がありますが、それは宅建業者が売主だったケース。そして、宅建業者が倒産していれば責任を問う先はありません。

また、中古住宅を個人同士で売買する場合、瑕疵担保責任を契約上、免除とするケースもあります。瑕疵を知りながら売主がそれを買主に伝えなかった場合は責任を追及できますが、そうでなければ欠陥住宅であっても、それは買った側の責任で修繕しなければなりません。

次のページは、中古住宅・マンションの欠陥修繕に対する「かし保険」について解説します。