個性を極めた、毎日使える「おもちゃ」
全長約2.5mに、2人には十分な空間と、日常の買い物をこなせるラゲージが用意されたスマート。横滑り防止装置のESPを全車標準で備えるなど、メルセデス・ベンツらしく安全への配慮に怠りはありません。S字にカーブした斬新なインパネ。センター部分にある丸い計器は時計とタコメーターです。速度計はステアリング前に大きく半円型で展開しています。ちなみに助手席は運転席より155mm後方に配置され、側面衝突時に乗員同士がぶつかり合うことを防いでいます
2004年時点でのエンジンは直列3気筒ターボで、排気量は698cc(スマートKは598cc)。ミッションにはMTモード付きの6速ATが備わります。全長が短いゆえ、ピッチング(ぴょこぴょこ上下に揺れる状態)があるなど、正直この車で動力性能での大きな魅力は期待できません。
しかし、この見た目のサイズ感やポップなデザインが、所有欲を大きくかき立てます。そのうえ(ポルシェ同様に!)リアにエンジンを搭載しリアを駆動させるRRです。
他車にはないこのスペシャリティ感こそが、スマート最大の特徴ではないでしょうか。そしてこのことが「全部カーシェアリングでいいじゃん」への反論となります。
思いっきり趣味に走るなら、2003年に登場したロードスターはいかがでしょう。着座位置がグッと低く、パワーはたいしたことがないものの、スポーツカーとしての楽しさがあります。新車時価格は255万円。原稿執筆時点ではわずか4台しか中古車がないほどの希少車です
いまや都市部ならカーシェアリングとレンタカーで十分生活できます。それでも車がほしいのは、多くの場合「便利」という隠れ蓑を着た「所有欲」なんじゃないかと勘ぐっています。
年に数回、家族でドライブするだけに毎年自動車税を払い、持家以外の人は毎月駐車場代を払って、それ以外にも自動車保険やら車検代……。
それでも持っていたいのは所有欲があるからではないでしょうか。いえ、私は所有欲を否定したいのではなく、むしろ「強く肯定」したいのです。
つまり、マイカーがなくても生活できるからこそ、「便利だから買った」ではなく「欲しいから買った」と、はっきり言える車を選ぶべきではないかということです。その点、個性的なスタイル&コンセプトのスマートは、まさにその対象になりえる一台だと思います。
お金持ちならあまり気にしないでしょうが、スマートの中古車なら100万円以内で十分探せますし、排気量が小さいから自動車税も安いなど、車にしては経済的な「おもちゃ」です。
家族とのドライブに使える便利な車はカーシェアリングやレンタカー、所有するのは毎日の買い物にも使える「おもちゃ」。こういう発想が、これからの世の中に合っているんじゃないでしょうか。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
【関連リンク】
カーセンサー