地震保険の保険金の支払い
違いを理解して保険のプランを検討しましょう。
そのため地震保険では保険金を使って新たに同じものを再購入・再築するのではなく、被災後の生活再建に役立てるという考え方が根底にあります。
地震保険は居住用を対象にした火災保険の保険金額50%までしか契約できません。また保険金の支払いも全損・半損・一部損の3段階に限られます。これは実際に損害額がいくらということは関係ありません。
例えば一部損の認定を受けた場合、実際の損害額に対して保険金が多く支払われることもあれば、不足することもあります。
また一部損の認定すら受けることができなければ保険金そのものが支払われません。火災保険の例で窓ガラスの修理代2万円などと書きましたが、契約金額2,000万円に対して1,000分の1の金額です。こんなことは地震保険ではありません。
さらに地震保険の加入者全体の総支払限度額は6兆2,000億円と決まっており(2012年4月6日改定)、これを超えた場合には加入者全体で按分する仕組みであることも大きな違いです。
火災保険、地震保険の違いをどう考えるか?
このように火災保険と地震保険では保険の仕組みや考え方が異なります。地震保険では「保険金が支払われない」、「損害額よりも保険金が少なく支払われる」ことなどがあると理解しておくことが必要です。地震災害は被災後に大きな被害を残します。このとき考えていたより保険金が支払われなければ大きなストレスです。決して保険料も安いわけではありません。何のために地震保険に加入しておくのかということを改めて考えてみてください。
地震保険は火災保険とセットでなければ加入できない反面、このように保険金の支払いの仕組みは根本的に違います。そのため色々勘違いする人も多いのですが、被災した時に金銭的に何がどのくらい不足しそうなのか(住宅ローンの残債がかなりあるなど)という観点で考えてみるといいでしょう。
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