火災保険と地震保険の保険金支払いの違いは?

火災保険と地震保険の保険金支払いの違いは?

阪神淡路大震災(1995年)以降、全国各地で規模の大きな地震災害が発生していることもあってか、地震保険の加入率(2001年度以降は付帯率含む)は上昇傾向です。特に東日本大震災(2011年)の発生後その伸びに拍車がかかっているようです。

しかし地震保険は保険の目的物が被害を受けても全く保険金の支払いがないこともあります。火災保険と比較して地震保険の保険金の支払われ方や基本的な考え方の違いをお話しします。

損害保険の保険金の支払い

火災保険や地震保険以前に損害保険について確認してみましょう。保険には生命保険や損害保険などがありますが、生命保険は「ヒト」を保険の目的にし、損害保険は主に「モノ」を保険の目的にします。

この点から生命保険と損害保険には保険金の支払いに違いで生じてきます。「ヒト」の体には値段をつけることはできません。保険会社がAさんは3,000万円、Bさんは500万円などと決めてしまってはおかしな話です。

無制限にいくらでも加入できるわけではないにせよ生命保険は一定の範囲で契約者が金額を自由に金額を決めて契約し、それを保険金として支払う「定額払い」となっています。

それに対して「モノ」には値段をつけることが可能です。メーカー、型式、購入年月、購入金額が分かれば今現在の新品で再購入した際の値段や時価を算出することが可能です。

そのため損害保険は、「モノ」を評価した金額で保険契約をし、その金額の範囲で実際の損害(全額あるいは修理できれば修理代など)を保険金で支払う「実損払い」になります。

「モノ」の評価額以上の金額で保険金が支払われる(いわゆる焼け太り)ことはありません。同じ保険でも生命保険と損害保険ではこのように保険金の支払い方に大きな違いがあるわけです。

火災保険の保険金の支払い

ここから具体的に火災保険と地震保険の保険金の支払い方をみていきましょう。火災保険はいまお話した損害保険の保険金の支払いと同様の考え方になります。保険金額の設定は再調達価額(新品の値段)あるいは時価になります。90年代くらいまでの古い火災保険契約で保険期間5年以上のものであれば時価ものものがほとんどのはずです。

但し最近の各損保の主力の火災保険は再調達価額を基準にしています。新品の値段で保険契約をして原則その金額を上限に実際に受けた損害を保険金として支払います。実際には損害保険金の他に費用保険金(例えば焼け残ったものを撤去する費用などを支払う)があるためプラスαがありますが、ここではそれを考えずに進めます。

実際の損害を保険金として支払いますので、仮に再調達価額を2,000万円として契約があったとします。

火災が発生して全焼すれば2,000万円が支払われますし、半焼近い損害があって損害額が912万円なら保険金の支払いも912万円です。

また盗難の被害があって窓ガラスを割られた場合、損害が窓ガラスの修理代のみで2万円なら保険金は2万円が支払われます。このように実際の損害額を保険金として支払います(実損払い)。

保険金が支払われることで、新たに保険の目的物を再購入・再築あるいは修理して被害を受ける前の元の状態に戻すことできるわけです。

「実損払い」の火災保険に対して、地震保険はいざという時どのようにお金が支払われるのでしょうか>>>