「体重が増えると肥満」は間違い
最近は多機能な体組成計が多い
人間の体は水分が約60%、たんぱく質(筋肉など)が約20%、その他、骨や内臓などが約20%といわれています。このうち、成人では骨や内臓の重さは変化がないとみなし、体重の増減を決定する要素はたんぱく質、水分、脂肪と考えます。体脂肪計は、体内に微弱電流を流してその抵抗値を測定し計測されますが、これは身体を構成する脂肪は水分を含まず、筋肉は水分を含む性質をうまく利用しています。
表示される体脂肪量は体内の体脂肪を計測したものであり、体脂肪率は体重あたりの体脂肪率を表示します。
体脂肪率(%) = 体脂肪量(kg)÷ 体重(kg) × 100
体脂肪の量に変化がなく、体重が飲食や排尿などで一時的に増減する場合、体重が増えると体脂肪率は低くなり、体重が減ると体脂肪率が高くなります。
筋肉がつくと基礎代謝は上がる
筋肉をつけると基礎代謝が上がる
成長期が過ぎ、代謝が安定した一般成人では一日に女性で約1,200kcal、男性で約1,500kcalとされていますが、年齢や身長、体重、筋肉量などによって基礎代謝量の算出は変わってきます。体組成計ではこれらの項目を入力し、筋肉量など日々変化する項目の測定値とあわせておよそとなる基礎代謝量を表示するのです。
BMIはあくまでも目安、体脂肪とあわせて参考に
BMI(Body Mass Index)とはボディマス指数とも呼ばれ、体重と身長の関係から算出される肥満度を表す体格指数のことです。体組成計に身長を入力しておくと、測定された体重の数値からBMIが算出されます。BMIの計算式は世界共通ですが、数値の評価は国によって違い、日本肥満学会ではBMI22を標準体重、25以上の場合を肥満、18.5未満の場合を低体重としています。ただし数値が標準体重である22よりも低ければいいとは必ずしもいえず、BMIの数値があまりにも低い場合にも体調不良を起こしやすかったり、病気になりやすかったりといった指摘がされていることも多いようです。またこれは身長と体重のみで算出されるため、体内の構成要素は考慮されず、アスリートやボディービルダーのような体重が重いけれども体脂肪率は低い人についても、肥満と判定されてしまうことがあるようです。BMIの指数はあくまでも目安ととらえ、体脂肪量や体脂肪率の測定値にも注意を払うようにしましょう。
筋肉が増えると骨量も増える
カルシウムが多く含まれる牛乳
推定骨量は骨の強度や骨密度に関係する数値ではないため、この数値だけで骨粗鬆症を判定することは出来ません。目安として、日本人の20~40歳代の平均的な推定骨量を示します(出典:タニタ体重科学研究所調べ)。
参考ページ:推定骨量を知ろう(タニタ)
《男性》
- 60kg未満:2.5kg
- 60~75kg未満:2.9kg
- 75kg以上:3.2kg
- 45kg未満:1.8kg
- 45~60kg:未満:2.2kg
- 60kg以上:2.5kg