夜遊び上手は「片泊まり」
片泊まりの宿に泊まったことはありますか?【片泊まり】とは夕食を食べずに朝食だけをいただく泊まり方。周辺に魅力的な飲食店が多い京都などに多くみられるスタイルです。
この片泊まりの良さは、チェックインしたら朝まで自由に過ごせること。なので、夕食もお酒も好きな所で好きなものを好きなだけ食べることができるので、夜遊びしたい人にはうってつけの泊まり方なのです。
今回ご紹介する片泊まりの宿は、「徹夜おどり」で有名な岐阜県郡上八幡にある「中嶋屋旅館」。趣きがある町並みと共にご案内いたしましょう。
町家造りの小さな旅館
郡上八幡は、戦国時代の面影を残す山城「郡上八幡城」の城下町。宿は旧市街から吉田川を渡たり新町商店街にたつ9室の小さな旅館です。町家造りの木造二階建てで、創業は百余年になるといいます。白く大きな暖簾をくぐると、木の香りがフワッと漂い、奥の方から涼しい風が流れてきました。外の暑さと賑やかさが嘘のようです。館内は、歴史ある外観とは裏腹に洗練された設え。玄関やロビーは、女友達の家に遊びに来たかのような優しい雰囲気となっています。とはいえ、家具は全てオーダーメイドというこだわりよう。
歴史ある旅館だと古めかしいものから脱却しづらいものですが、どうしてこんなにカワイイ旅館ができるの?と少々疑問なことでしょう。これらは、若女将の案によるもの。なるほど、抜群のセンスに納得です。
9室ある部屋は全て畳の和式タイプ。
バス・トイレはありませんが、館内にはウォシュレットの洋式トイレとシャワー・カランがついた家族風呂がありますので、ご安心を。
もてなし上手だにゃ?!
女将さんが出してくれた冷たいお茶と手拭いで体を冷やしていると、「にゃ~」。おやおや、お部屋係りの登場ですよ。
お名前は「ベカ(♀)」。カベの間に挟まって出られなくなっていたからベカ。今では旅館の若若女将となり旅館内を自由に行き来しています。
二階の客室で寛いでいると、早速にお出まし。お茶でも入れてくれるのかしらん?と思いきや窓際の特等席でスヤスヤと昼寝。ネコがいては障子や行灯はダイジョブか?と余計な心配をしてしまいますが、ちゃんと綺麗なまま。穏やかな性格のようです。
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