メンタルヘルス/心の病気の治療法・セルフケア

自律神経を整えれば、プレゼンテーションはうまくなる(2ページ目)

プレゼンテーションは、ビジネス上とても重要なシーン。しかし、大勢の前で話すと緊張する、難しい質問されて頭が真っ白になってしまうなど、苦手意識を持つ人も多いのではないでしょうか。今回は、自律神経がプレゼンテーションに与える影響について説明します。

小林 弘幸

執筆者:小林 弘幸

医師 / 自律神経ガイド


本番に弱いというのは、自律神経の問題

これまで、「本番の弱さ」や「あがり性」というものを、心の弱さ、メンタルな部分でのみ捉えられてきました。実際、プレゼンテーションが苦手だという方の多くは、ご自身が「本番の弱さがあるから」「あがり性だから」と考えているからだと思います。

しかし、これも自律神経の面から捉えれば変えられると考えられます。

大勢の人を前に、あがってしまうのは、実は自律神経バランスが大きな原因

大勢の人を前に、あがってしまうのは、実は自律神経バランスが大きな原因

「本番に弱い」と「あがり性」という状態は、つまりは平常心を失った状態です。そのため、精神論ではなく、自律神経をコントロールするというより科学的なアプローチで変化をもたらすことが可能です。

たとえば、深呼吸はリラックス効果があると思って、「落ち着け、落ち着け」と念じながら深呼吸して、逆に硬くなってしまいます。

これは、自分は「緊張しているから落ち着かなくては」と思っている時点で、深呼吸をしても呼吸が浅くなり、副交感神経の働きが下がってしまいます。

そういうときは、「ゆっくり上を向く」、「水を飲む」といった行動をおすすめします。なぜなら、ゆっくり上を向くと気道がひらき呼吸が安定しますし、水を飲むと胃腸の働きが活発になり、副交感神経も活性化されます。

 「上からの目線」で自分を客観的にみると自律神経バランスが整う

自律神経バランスを整える方法で、呼吸や水を飲むといった方法を挙げましたが、これらのほかに、「上からの目線」で自分を客観的にみることができると、力がすっと抜けて緊張が解けます。

緊張を解くコツは、「上からの目線」で自分を客観視すること

緊張を解くコツは、「上からの目線」で自分を客観視すること

元スピードスケート選手の清水宏保さんが試合会場に入ってまずすることが、観客席に行って自分が滑っている姿を想像すると聞いたことがあります。これは、頭でイメージしたとおりに、体を動かす、つまり筋肉を動かせるかをイメージするためです。

これはビジネスパーソンにも当てはまります。清水選手と同じように、自分がプレゼンテーションをしている姿を「上からの目線」で客観的に見る力を養うことで緊張を解きほぐすことができます。

自律神経バランスを整えることができれば、視野を広く保ち、聴衆に気を配る余裕を持ちながら進められる良いプレゼンテーションができるようになります。

自律神経バランスを整えて、ビジネスにおけるパフォーマンスを向上させましょう。

<関連サイト>
自律神経をコントロールして緊張を軽減 『メンタルプレゼンテーション』
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