防犯/子どもを犯罪から守る

小学校新1年生の「安全作法」

この春、小学校に入学する新1年生たち。幼稚園や保育園のときとは違って、一人で行動することも多くなります。広がる行動範囲には思わぬ危険があるかもしれません。保護者が、子どもの安全のためにできることは「安全作法」を教えることから。

佐伯 幸子

執筆者:佐伯 幸子

防犯ガイド

新1年生を見守って

安全に楽しく過ごしましょう

安全に楽しく過ごしましょう

保護者が行き帰りに付き添ってくれたそれまでの幼稚園や保育園と違って、この春、小学新1年生となる小さな子どもたちは、上級生のサポートもありながらの集団登校ということになるでしょう。あるいは、一人で登校する子もいるはずです。朝という時間には、危険なことが起こりにくいように感じられるかもしれませんが、過去には、朝の登校時を狙って、道をたずねるふりをして誘拐した事件も起きています。

子どもにとっては、時間帯を問わず、一人きりになるときがもっとも危険なのです。地域の防犯ボランティアなどによる見守りも増えているようですが、そうした大人の子どもを見守る目がない地域や、学校までの距離が遠い子どもの場合は、できるだけ保護者が安全な場所まで見送るようにしましょう。親子で外出したときには、近所の人や近くのお店の人などと挨拶を交わし、子どもを見守る「目」になってもらうようにすることが望ましいでしょう。

「知らない人」に気をつけて

子どもに「知らない人にはついていってはいけません」「知らない人に話しかけられたら逃げるのよ」と、常々言い聞かせていると思います。では、顔だけ知っている人は「知らない人」なのか、「顔見知り」なのか、とよく考えるとあまりハッキリしない言い方ではないでしょうか? これは、親などの保護者が、いろいろな人のことを事例として話して聞かせることで、判断能力を養うようにしてあげるしかないでしょう。

たとえば、「道をたずねる人」はどうでしょうか? 「人には親切に」という言葉と裏腹になってしまいがちです。これも、たとえばお年寄りが荷物を抱えて迷っている場合ならわかる範囲で教えてあげるようにする。車からたずねられたら、今どきの車はカーナビがついているので、子どもに道をたずねるのはおかしい、といったように状況判断ができるようにさまざまなシチュエーションを話して聞かせましょう。常識的な大人なら、見知らぬ子どもに道をたずねたりはしないはずです。

また、「○○小学校に入学したの?」「新しい1年生?」などと問いかけられるのも厳密に言えば、子どもの個人情報に関わることですから、答える必要はないと思われます。しかし、地域の住人であったり、話好きなお年寄りなど、これも状況判断が必要なのですが、子どもに話しかける人がいる場合に備えて、「こんな人にこう話しかけられたら」と具体的に伝えておくようにしましょう。

原則として、見知らぬ人からの「返事を求める問いかけ」に答える必要はないと考えていいでしょう。「危ないよ」「気をつけなさい」といったように、子どもに注意を促す、返事を必要としていない声かけには問題がないはずです。もっとも、中にはわいせつな言葉を投げかけたり、ヘンなことを言う人もいたりしますから、そうしたこともありうると想定してショックを受けないよう、また、不審なことがあったら必ず保護者や学校の先生に話すように伝えましょう。

次ページでは、「防犯ブザー」と「大声を出すこと」と「安全作法」を身につけて

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