必ずしも補償は保険でなくてもよい
自動車保険改定に対する考え方
簡単に説明すると保険と名前がついているものの実際に保険に加入するわけではなく、預貯金などで備えることです。例えばタクシー会社。緑ナンバーの営業用車両は保険料が非常に高く、私たちのマイカーのような白ナンバーの自家用車と比較になりません。
1台当りの保険料も高いため、タクシー会社で車両保険に加入しているなどということはほとんど聞きません。会社によって対応は違うでしょうが、自賠責保険+対人賠償保険、対物賠償保険のみであったり、自賠責保険+対人賠償保険のみというような加入も珍しいものではありません。
毎年の事故率や支払い金額をデータにしつつ、保険料が安くなっている分を自社でプールして不足する補償についてはそこから補填します。自動車保険を利用しないケースも多いですから、保険会社に頼らずに社内に専用の事故担当を常駐させて事故処理にあたるというような体制はごく普通です。
これを個人契約に置き換えた場合に、保険料を安くして負担を軽減する代わりに事故の際に自腹を切ることも考える必要があるわけです。防ぐことのできない事故もありますが、これまで以上に安全運転を心掛ける必要があることは言うまでもありません。
なお最初の記事のように自動車保険の改定時期がずれる保険会社もあります。実際にこの改定について特にプレスリリースを出していないところもまだありますから、確定したものの言い方はできませんが、基本的にはこの制度に移行していくことが考えられます。
理由はリスク実態に応じた保険料を負担するというのが今回の自動車保険改定の背景にあります。事故有りの人が改定をしていない損保会社に一時的に移行することは容易に予想できますが、それでは事故を起こす確率の高い人が改定未対応の損保に流れ込んでくるわけです。
損保会社からすれば営業上の数字は上がりますが、保険金の支払いが増えることでもありますから好ましい状況ではないわけです。
自動車保険改定に伴い必要なこと
事故があって自動車保険の利用をした場合、翌年から事故有係数が適用されます。いつどんな事故があって自動車保険を利用したか記録を残しておいてください。保険料がアップするケースでは他社の見積をとるケースが一層増えると思います。契約を他社に移す場合、過去の事故が関係します。これまでは1年契約であれば前年の事故の有り無しが分かれば原則大丈夫でしたが、今後事故有り係数の適用期間の関係で状況は色々変わります。
契約をA社からB社に移す場合、契約段階ではB社は事故の有無が分かりません。自分で調べるとなると結局既契約のあるA社に確認しなければならない手間が増えます。
前回の記事でお伝えしたように今回の自動車保険の改定は主に大手損保が中心で全社一斉に行われるわけではありません。そのため事故があった場合、今回の制度を適用していないところに契約を移すという選択もでてくるでしょう。
但し契約を移される保険会社からするとリスク実態の高い人の契約が自社に流れてくることになるので、どの損保も遅かれ早かれ今回改定される制度に移行していくものと考えられます。
また自動車保険を3年くらいの長期契約にしている場合、保険終期が2012年12月以降になっているなら事故の際は担当者とよく相談してください。継続時に事故有係数が適用になります。
また。事故と言っても色々で非常に面倒な事故を起こして損害保険会社や保険代理店などに世話になったから他社には変えにくいという人、保険料は高くなっても今までのように事故対応をきちんとしてくれるところに頼みたいという人もいるでしょう。
いずれにしても数年かけて各社が新制度へ移行します。各社の自動車保険の改定について必要な情報を収集しつつ、これまで以上に安全運転の管理、自動車保険のプランを契約時にどうするかなどを考える必要性が高まってきます。