一定条件のもと、機械式の立体駐車場は建築基準法の確認申請が「不要」となる 

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散見されるマンション内での立体駐車場の子どもの事故

建築物を建築する場合、あるいは大規模な修繕を行なう場合も含め、建築主は確認申請をし、建築主事または指定確認検査機関の確認を受けなければなりません。このことは建築基準法により法律として明確に規定されています。

ところが、機械式の立体駐車場はどうかというと、実は、一定条件のもと建築確認申請が不要になっています。機械式立体駐車場は建築基準法に定める「建築物」ではなく、「工作物」に分類されるからです。工作物とは、その代表例として「煙突」や「広告塔」、マンションの屋上に設置される「高架水槽」などが該当します。機械式の立体駐車場は法律上、「工作物」として扱われるため、以下の条件に当てはまると建築確認申請が不要になります。

 <機械式立体駐車場の設置にあたり、確認申請が不要となる主な条件>
  • 屋根や壁を有しない
  • 高さが8メートル以下である
  • 商業系や工業系の用途地域に設置される
  • 住居系の用途地域であっても、建築物の付属物として建築され、かつ、築造面積が一定規模以下である
このことが一体、何を意味するのか?―― 公的な“縛り”がなくなり、施工業者の裁量に任される割合が増えることになり、施工不良を起こさないためには適時・適切な保守点検が欠かせなくなります。言うまでもなく機械の誤作動はトラブルに直結します。痛ましい事故を繰り返さないためにも、まずは立体駐車場の所有者であるマンション管理組合が駐車場のメンテナンスに傾注することが不可欠となります。定期に保守点検業者に点検を依頼し、常にコンディションを最良に保つことが予防策の1つとして機能します。

駐車場の利用者が注意し、「人為的ミス」を軽減できれば事故は低減が可能

そして、予防策の2つ目として、人為的ミスの軽減にも努力する必要があります。前ページで紹介した大阪府茨木市の事故も岩手県花巻市の事故も、どちらも立体駐車場という機械そのものの不具合や誤作動が直接の原因ではありませんでした。「駐車装置内に人がいることに気が付かなかった」「機械操作時に子どもから目を離してしまった」と、人間の不注意によって事故が引き起こされています。

つまり、いくら立体駐車場のコンディションを最良に維持しても、その駐車場を利用する人が注意しなければ事故は防げません。「人為的ミスの軽減」とは、利用者の意識変革にほかならないのです。エントランスの掲示板や「組合だより」といった広報誌を活用し、注意喚起を促すことが事故防止の近道となります。

事態を重く見た消費者庁と国交省では、次のような注意を呼びかけています。

 【機械式立体駐車場での事故にご注意ください】
  • 機械式立体駐車場で自動車を入出庫する際、運転者以外は駐車場内に入らないでください。
  • 自動車の中に人が残っている場合があることから、駐車装置を作動させる際には駐車場内に人がいないことを十分確認したうえで操作してください。
  • 駐車装置の操作中は装置盤から離れず、また、子どもが駐車場内に近づかないよう注意してください。
  • 駐車装置の操作ボタンを器具などで固定し、押し続けた状態にすることは絶対にやめてください。

マンション管理組合には「ハード」(保守管理)と「ソフト」(人為的ミスの軽減)の両面から事故を起こさないための施策に努めることが求められます。




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