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保険依存から資産自立へ!30代の人への新提案(2ページ目)

30代の過ごし方で人生は決まります。特にお金に関していえば、住居費、教育費、保険料という三大支出が決定的に重要です。今回は保険に関する思い込みをご紹介します。もし保険商品に関する過度な依存心を破壊できれば、30代からでもきっとお金は貯まります。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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リスクに対処する保険以外の手段とは?

現代の損害は小さくなっているとはいうものの、リスクをすべて素手で受け止めるワケにはいきません。かといって、それをカバーするのは保険商品しかないと考えてしまうのも、思い込みです。

そもそも、保険とはめったに起こらない出費に対して、みんなでお金を出し合って原資を作るという相互扶助の産物でした。

しかし、豊かな時代になって、人が生涯に数億円のお金を作ることができる時代に生きているとしたのなら、その原資を自分で作ることが、かなりの人にできるのではないでしょうか?

定年でリタイアするときに、じぶん年金として数千万円のお金が貯えられていると想像したら、次のような小金の準備に保険商品が本当に必要でしょうか?

ガンの治療に、100万円
住宅の建て直しに、1,000万円
介護施設への入所に、300万円

これくらいの出費なら、自分の老後の蓄えの中から必要なだけ出せばよいと考える方が普通ではないですか?それが、自家保険という考え方です。

リスクを保有する、回避するという選択もあり

そもそも、リスクマネジメントには、「移転」「保有」「回避」の3種類があります。

リスクの移転とは、まさに保険商品を使うことです。保険会社にリスクを転嫁することから、リスクの転嫁とも言われます。これは、めったに起きないが起きたら損害が莫大な場合に備える1つの手法です。たとえば地震保険がその典型です。

リスクの保有とは、めったに起きない、起きたとしてもその損害もそれほど巨額でない場合にとる手法です。入院保障、手術手当金なども健康な人にとっては保有していていいリスクなのです。保有していた場合の損害補填の原資は自己資金です。そのくらいの蓄えなら持っているよ、という人には転嫁する必要がないリスクです。

最後のリスク回避。これは予防とも言えます。起きる可能性があるし、その損害も大きい場合には、そのリスクを生じさせないことに集中するのです。たとえば介護です。老後に介護状態になる人にはいくつかのパターンがあることが、近年の知見で分かってきました。若い頃から運動を習慣とする、バランスの取れた健全な食習慣を身につける、好奇心を持って明るく暮らす、趣味や人付き合いを楽しむ。そんな努力をしていれば、介護状態になることを相当避けることができそうです。

自家保険とともに、忘れてほしくないリスクマネジメントが回避(予防)です。こうした広い視野から自分の生活を考えることができれば、なんでもかんでも(健康、教育、年金)保険商品を買わないとできない、という思い込みから解放されるはずです。

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