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日本の株価は夜中に作られる?どう対応すべき?

私たちは、日中の金融市場の動きだけを見ていますが、それでは相場を見誤る危険があります。実は、日本の株価は、夜中に動いています。その動きを、自分の資産運用に取り込むには、二つの方法があります。さて、それは…?

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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日経平均は夜中に動く!?

投資で、皆さんに一番身近なものは、ニュースの最後に流れる株価速報でしょう。

「今日の日経平均はOO円高の、20,xxx円です」というアレです。

多くの人が誤解しているのは、あの株価推移が、今日の値動きだと思っていることです。実は、あの騰落の数字は、前日の終値からの差異を表しています。今朝の9時からいくら動いたかではなくて、昨日の15時からどう動いたかを表現しているのです。

ここまでご説明しても、ピンと来ない人はいます。昨日の15時の終値と今日の寄付き値は同じだろう、という思い込みがあるからです。しかし、それはぜんぜん違うのです。日経平均は、夜に大きく動きます。

ナイトセッションの先物が、日経平均を決める

正確にいうと、日経平均先物という銘柄があります。そのナイトセッションは、16時半から翌朝5時まで開いていて、欧米の投資家たちが中心となって、海外の株価推移を睨みながら、売買します。特に、ニューヨーク証券取引所オープン後の22:30からの動きが活発です。

先物価格は、日経平均という現物が有っての先物ですが、実は、先物価格が現物価格を動かすという逆の機能もあります。というか、実態は先物が現物価格をほとんど動かしています。日経平均を決定づけているのは、企業決算でも、為替レートでもありません。それは、先物です。

たとえば、朝に東証が開いた途端に、日経平均300円安とか報道される日は、
ナイトセッションで先物が大きく売られたときです。東京で下げたのではなく、ニューヨークで下げられたのです。9時から市場に参入する人たちは、その乱高下を見ているしかできない。受け入れるしかない。価格形成に参加することはできないのです。

なぜ、夜中の動きを知るべきなのか?

ニュースによる株価変動は、誤解を与える怖れがあります。たとえば、ニューヨークで300円下げて、前日比300円安で東京がオープンした後、東京のザラ場で急反発して200円高になったとしても、ニュースでは100円安としか報じません。

現実のマーケットでは、東証オープン後に上向きに転換したのに、前日比で見ると下向きのままである。株価トレンドに対して、株価ニュースは、こういう誤解を与えています。

その逆の急騰の場合もしかりです。いずれにしても、株価変動の原点は、先物のナイトセッションであることが多いのです。日中の東証での動きも、日経平均を動かしますが、海外からの先物経由のインパクトの方が、強くて大きいのが現実です。

一流はベッドの上で投資している?

ですから、投資をする人にとって、海外の、特にロンドンやニューヨークでのイベントや市況を見ていることはとても大事。日本の株価は、夜作られているのです。

そこで、私は「投資の一流、二流、三流」という本で、こう書きました。

三流は、電車の中で、投資をする。
二流は、会社のパソコンで、投資をする。
一流は、どこで?
一流は、ベッドの中で投資をしている。

まあ、ホントにベッドの中とは限りませんが、深夜に、欧米のマーケットを観察することは、とても重要であり、必要であれば、ナイトセッションでトレードをする必要もあります。

日本の日中だけに動いていたのでは、関われない世界があり、その夜に、翌日の相場の流れが作られている。だから、株価は夜作られる!ということになります。

夜中もマーケットに居続けるのが長期投資

ただし、投資を仕事としていない人にとって、深夜にマーケットを見ているなんて、疲れることです。そこで、私はオーバーナイトを何回も持ち越していく、長期投資を普通の人には推奨しています。

大事なことは、夜の間もマーケットから離れないことだからです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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