住居についての誤解とは?

私たちは、住居費に関していくつかの誤解を持っています。

・家賃は適正である?
・良い家に住むべきだ?
・借りるなら買う方が得だ?

一つずつ、誤解を検証してみましょう。

家賃はどこでも適正な金額で公平に設定されている?

実は不動産業界はいまだにかなり閉鎖的な世界です。閉鎖的という意味は、情報が十分に開示されていないという意味です。だれに?という意味では、業界内部での情報格差とお客様に対する情報格差があります。

業界内の情報格差は、行政の指導やインターネットの活用などにより、以前よりは小さくはなってきました。しかし、それでも情報のすべてが業界内部で共有されているわけではありません。

この物件は自分で客付けしたいから他の業者に情報を回す前に決めてしまおうとか、大家さんからはここまで家賃をディスカウントしていいと言われているが表向きは表面家賃を崩さないでおこうとか、この物件にはある欠点があるがそれは伏せておこうとか、そういう情報の隔離、隠蔽がまだ残っています。これは仲介手数料という報酬を少しでも多く独占しようとする意図から生まれる情報操作なので、なかなか止まりません。

お客様に対する情報格差は、業界内部のそれよりも大きなものがあります。プロと素人では選択肢の数が全然違います。具体的にいえば、頭に入っている情報量が違います。不動産屋さんは何100もの物件情報の中から2つか3つを勧めてきます。お客様は2つか3つの中から最善のものを選ぶしかありません。あるいは、不動産屋さんは大家さんの本音を知っています。良い素性のお客様なら家賃を下げてもかまわないと伝えていたとしても、それを知らないお客様は限界賃料を告げられぬままに決断を迫られることになります。

情報格差は家賃の偏りとなって、私たちの目の前に表れます。
こうした事情から私たちはどんな戦略が得られるでしょうか?

戦略その1 業界の内部情報に近づく

まず、業界内部のコアな情報に近づくこと、それから、大家さんに期待される入居者になること、最後に賃貸住宅の需給ギャップを見つけることをおススメします。

業界内部の情報に近づくためには、だれか業界の人と仲良くなる必要があります。自分で何もかも情報を集めようとするのは大変ですから、情報をよく知っている人から特ダネや内緒話を教えてもらうのです。そのためには、時間をかけて特定の人と仲良くなる必要があります。カウンター越しの通り一遍のお願いではかないません。

コマメに連絡をする、相手の人を好きになる、ときには茶菓子の差し入れなどもして印象を良くしておいてください。そうすると、「まだ公開前の情報なのですが、実はこんなお得な物件が・・・」みたいな話がささやかれることがあります。ただし、相手が仲良くなるに足る「良きプロ」でなければ親密にする価値がありません。当然ですが、人を見る目が問われます。

戦略その2 大家さんに愛される人になる

次に大家さんに期待される入居者となることです。大家さんが怖れているのは、滞納する人、契約更新をしてくれない人、マナーやルールに鈍感な入居者です。もし、あなたがそう見られる可能性を持っていたら、すぐに直すべきです。考え方、振舞い、習慣をチェックしましょう。大家さんが大好きな入居者は、家賃をきちんと収める人、永くそこに住み続けてくれる人、トラブルを起こさずにマナーが良い人なのです。良質な入居者で埋まることは、高い家賃を取ることよりも重要事項です。大家さんに愛される入居者になりましょう。

戦略その3 需給ギャップを自分の強みにする

最後に、需給ギャップを見つけるとは、家賃のお得な物件を探すということです。お得な家賃で提供される物件とは、人気のあまりない物件です。たとえば、交通の便が悪い、日当りが悪い、閑静な住宅街にない、嫌悪施設がある、などが人気をなくする要因です。しかし、それは一般的な話です。普通の人なら気にするけれど、あなたは全然気にならないという要因が発見できれば、それはあなたの強みになります。

運動好きで自転車に乗るのが楽しい人は駅から遠いとうれしいかもしれません。あるいは、日中はほとんど家にいない人なら日当りなど期待しないかもしれません。刑務所、ゴミ処理場、火葬場、墓地などは、一般的は嫌われる施設ですが、気にしない人にとっては家賃を安くあげられるポイントとなります。

心の深部に潜む「良い家に住むものだ」という思い込み

一般的に、私たちは自分の分相応以上の住居に住もうとする傾向を持っています。それを見栄といっては厳し過ぎますが、回りの人との比較の中で、一定以上の住宅を選ぶ願望を持っています。友だちの家を見て、やっぱり新しい家はいいなあと羨ましがったり、広いリビングのある家に招かれてワケもなくそれに憧れたり、駅からの距離は近くないいけないと最初から決めつけていたりします。

自分が暗黙のうちに持っている住宅に対する高い欲求の原因が何なのかを、自分で知っている必要があります。動機を知っていれば、実はそれが取るに足らないことであったり、他の家族にとってはどうでもよいようなことであったりと、思い込みの無意味さに気が付くことがあるからです。小さな見栄に大きなコストを払ってはいませんか?30代には、多少質素な生活をしていても、資産形成ができた晩年に理想の終の住処を手に入れれば良いと考える鷹揚さも必要ではないでしょうか?

家賃より安い返済で済むなら買う方が得であるという囁き

「借りるより買った方が安いよ」これは家を売る人の決まり文句です。そして単純で分かりやすいので心に響きます。ところが、それがとんだ間違いだったことに気が付く場合もあるのです。けれど家を買ってから何十年も後のことですから、この決まり文句が罪深かったことをだれもとがめません。

どんな間違いか、それは転居するときに発生します。手狭になったから広い家に住み替える、子どもの教育のために引っ越す、お勤め先が変わって転居するなどのときになって、目先の得が実は大きな損になることに愕然とします。たとえば、頭金1,000万円で4,000万円のマンションを買いました。10年住んでから売りに出したら3,000万円で売れました。ローンは2,800万円も残っています。この人のキャッシュフロー収支は毎月の返済額に加えて、<頭金1,000万円 + 諸費用の400万円 ー 売却後の手取り200万円=1,200万円>と毎月10万円の追加コストが発生していたことが最後になって発覚するのです。

いかがでしたか?あなたも住居費に対する思い込みを破壊して、快適で経済的な家賃生活を楽しんでください。そして、30代のうちに資産を作りましょう。

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