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Wii UがWiiを超える為の3つの課題(2ページ目)

2012年末、任天堂の次世代据え置きゲームハード「Wii U」が発売になります。本体発売にあわせて、ニンテンドーランドやNewスーパーマリオブラザーズUなど、気合の入ったタイトルも発売となります。しかし、Wii Uにはいくつかの課題も残されています。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

Wii U GamePadを使いこなせるか

どうぶつの森キャンディーまつりの図

ニンテンドーランドに収録されるどうぶつの森キャンディーまつりは、Wii U GamePadを見事に使いこなしています

Wii U GamePadを使いこなせるか、といっても、それは任天堂が使いこなせるかではありません。ニンテンドーランドに収録されたいくつかのミニゲームを遊んだだけで、任天堂は見事にWii U GamePadを使いこなして新しいゲーム体験を創造することに成功していると感じられます。

問題は、任天堂以外のメーカー、いわゆるサードパーティーです。Wiiは、Wiiリモコンに搭載されたモーションセンサーで新しいゲームの可能性を提案し、現世代の据え置きハードにおいてトップの普及台数を誇ります。Wiiスポーツを始めとして、任天堂が次々に新しいゲームでヒットを飛ばす一方で、サードパーティーではなかなか思うようにいかない状況もありました。結果、Wiiはハードの普及台数は多いものの、ソフトの発売タイトル数は減っていってしまうという逆転現象も起こりました。

Wii Uにおいても、Wii U GamePadをサードパーティーが上手く使いこなして、任天堂が作らないような独自のタイトルでヒットを飛ばすことができるかというのが、1つのポイントになるでしょう。

1人で遊ぶゲームを売れるか

FPSの図

WiiUのビジネス全体を考えると、北米市場で売れるファーストパーソン・シューティングの分野なども重要になります

Wiiはたくさんのヒットを生みましたが、売れるソフトには“ある偏り”がありました。よく言われるのは任天堂のソフトばかり売れるということですが、任天堂のソフトであればなんでも売れたわけではありません。Wiiは、Wiiスポーツなどを家族みんなで楽しむ、という目的で買われるケースが多いハードだったので、この「みんなで楽しむことができるゲーム」が非常に強いソフトでした。

多人数同時プレイ、あるいは同時プレイをしなくてもWiiFitのように家族みんなが関われるタイプのゲームは非常に強く、逆にゲーマーが1人でじっくり遊ぶタイプのゲームは売れにくい傾向にあります。Wiiでサードパーティーが苦しんだのは、Wiiリモコンが使いこなせなかったという点だけでなく、Wii独特の市場に、自社の商品がマッチしなかったという点も挙げられます。

1人でじっくり遊べるゲームの市場を取り込み、任天堂以外のメーカーもソフトを売りやすい環境にしていくことも、大きな課題です。

最後に、任天堂がこの課題をどう解決していくのか、注目するべきポイントについてお話していきたいと思います。
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