北イタリア最大の都市ミラノ
首都ローマと並んで、イタリア第二の主要都市ミラノ。イタリアの経済の中心を担う活気ある商業の街であり、北イタリアで最大の街の規模を誇ります。モードやデザインの発信地として、世界中に知られる一方、美しいドゥオモや世界遺産のダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」など観光的な見どころもあり、商用目的のビジネスマンのほか、旅行者も訪れます。ミラノの歴史
イタリアの中でも特に現代的な街ミラノですが、街の起源は古く、紀元前600年頃。ケルト人により「メディオラヌム」(平原の真ん中)と呼ばれた頃に始まります。その後、紀元前222年に、古代ローマ帝国により征服。4世紀頃には「西ローマ帝国」の首都となりました。
ゴート族やロンゴバルド族により混乱した時代を経て、12世紀には、北イタリアの主要都市が加盟するロンバルディア同盟を結成。自治都市として繁栄の時代を迎えます。
中世時代からルネッサンス期にかけて、貴族の名門ヴィスコンティ家とスフォルツァ家により支配されたミラノ公国時代には、富裕層が生まれ、学芸への投資も盛んに行われました。ダ・ヴィンチもこの時期にミラノに暮らしています。
16世紀にはスペイン王国、18世紀にはオーストリア・ハプスブルグ家の配下に置かれた後、ナポレオンによってチザルピーナ共和国の首都となりますが、1815年、ロンバルド・ヴェネト王国としてオーストリアに帰属。サルデーニャ王国の援助により独立した後、1861年にイタリア王国の一都市になります。
第二次世界大戦で壊滅的な爆撃を受けたミラノですが、戦後、急速な発展を遂げ、現在のミラノへと変貌してきました。
モード・デザインの街ミラノ
戦後の復興の一翼を担ったのは、モード。繊維業と出版業の発展に伴い、1972年に始まった「ミラノ・コレクション」に代表されるように、ミラノはイタリアにおけるモードの発信地となりました。現在も変わらず、モードの中心地として、イタリアはもちろん、世界中に最新のモードを発信しています。また、デザインの祭典「ミラノ・サローネ」や国際デザイン美術展「ミラノ・トリエンナーレ」なども開催されるデザインの街でもあります。ミラノの見どころ
ミラノの中心に建つ、ゴシック建築の荘厳な「ドゥオモ」。その広場前にある「ヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア」。美しい大理石のアーケード下にブランドショップやカフェが立ち並んでいます。イタリアオペラの殿堂「スカラ座」、ミラノの基礎を作ったスフォルツァ家の城「スフォルツェルコ城」、そして「レオナルド・ダ・ヴィンチ作「最後の晩餐」」でしょう。これは「サンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会」など、ミラノの歴史をカタチ創ってきた建造物は、一度行くなら見ておきたいスポットです。
特に「最後の晩餐」は、必見。世界遺産にも登録されています。
ローマ、ベネチア、フィレンツェなど、ほかのイタリアの都市と比べると歴史を存分に感じさせてくれる……というよりは、ミラノは「現代のイタリア」を楽しむところ。街行く人のファッションや、人気のお店の内装など、世界最先端のモードやデザインも見どころです。
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