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これでグッスリ眠れる! 睡眠を重視した寝室の作り方

寝室の環境として温度や湿度、照明などは大切ですが、それ以前に家の中での寝室の位置や寝室内の寝具の配置にも気を配りたいものです。ここでは、季節によって眠りやすい場所や、寝室の出入り口と寝具の位置関係などについて解説します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

寝室の位置を優先して決める

理想の寝室

人生の3分の1を過ごす寝室を、優先して考えてみませんか?

四季の変化に富むところが素晴らしい日本ですが、季節によってはいろいろな睡眠の障害を起こします。寝室に関して特に問題となるのは、夏の高温多湿と冬の低温低湿です。

夏の暑さが苦手でよく眠れない人もいれば、冬に手足が冷たくて眠れない人もいます。それぞれ眠りやすい季節と眠りにくい季節を考えて、寝室の位置を決める必要があります。

温かい空気は上に行き、冷たい空気は下にたまります。そのため、2階建ての戸建て住宅では、2階は温かく1階は涼しいものです。マンションなどの集合住宅でも、下の階ほど涼しく、上の階ほど暖かく感じます。

また、太陽の光を浴びる南や西向きの部屋は暖かく、北向きの部屋は涼しくなります。体感温度は気温だけでなく、壁からの輻射熱(ふくしゃねつ)も大きく影響しますから、日中に外壁が太陽光線で温められているかどうかも、大事なポイントです。

熱帯夜で寝苦しい思いをしている人は、例えば2階建ての戸建て住宅の場合、寝室を1階の北側の部屋にすれば涼しく眠れます。一方、冬の寒さで困っている方は、2階の南向きの寝室で眠れば温かく眠れることでしょう。余裕があれば、夏の寝室と冬の寝室の2つを作れます。普通はそこまでできませんから、冬は2階の寝室で眠り、夏は1階の和室で眠るというのはいかがでしょうか。

寝室は眠るためだけの部屋にする

寝室にテレビ

寝室でテレビを見ていると、よく眠れなくなることがあります

グッスリ眠れて睡眠に関する悩みがない人は、「寝室=睡眠」という図式が頭の中で出来上がっています。ところが、なかなか寝つけないなど睡眠に問題を抱えている人は、「寝室=不眠」という考えに凝り固まっています。

この悪い固定観念を変えて、「寝室=睡眠」にするためには、寝室を眠るためだけ(性生活もオッケーですが)に使います。ですから、寝室を書斎と兼用したり、寝室内に趣味を楽しむコーナーを作ったりすることはお勧めできません。寝室はあくまでも、眠るためのだけの部屋にしてください。

グッスリ眠るためには、ベッドや寝床も眠ることと性生活以外に使わないでください。睡眠に問題がある人は、ベッドや寝床でお菓子を食べたりテレビを見たり、携帯電話を使ったりします。本人は「眠れないからしている」と言いますが、実はこれらの行動が眠れなくしているのです。あくまでも、寝室やベッド、寝床では、睡眠と性生活以外のことはしないでおきましょう。

寝室内の配置には3つのパターンがある

コクーン

「コクーン」とは、繭(まゆ)のことです

寝室の中でどの場所にベッドや寝床があると、安心できますか? 出入り口とベッドや寝床の位置関係で、寝室は3つのタイプに分けられます。

まず、「外部アクセス型」です。ベッドや寝床が出入り口の近くにあり、目覚めた時に寝室から出入りしやすい配置になっています。このタイプを好む人は、寝室と外とのアクセスを重視していて、睡眠よりも起床に対してより意識的であるといえます。

これと逆のタイプが、「深奥コクーン型」です。このタイプでは、ベッドや寝床が寝室の最も奥にあり、外部からのアクセスを遮断します。また、睡眠を促す小物類がベッドや寝床のまわりに多く置かれ、より深く睡眠に集中できる寝室です。

3つ目のタイプは「中間・折衷型」で、「外部アクセス型」と「深奥コクーン型」の間に位置します。このタイプの寝室を好む人は、睡眠にあまりこだわらない人から、眠ることと目覚めることの両方に関心が高い人まで様々です。

自分やベッドパートナーがどのタイプに当てはまるかを考えて寝室の配置を決めると、グッスリ眠ってスッキリ目覚めることができるでしょう。


【関連サイト】
理想的な寝室を作る! 光と音のテクニック
ジメジメ寝苦しい梅雨……快眠のための3ポイント
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