品質第一、バランスのよさと品格の味わいの「猿川(サルコー)」

猿川

映画のワンシーンになりそうなレトロな「猿川」の建物

店の前にはバス停とポスト。店内にはお酒とともにカップラーメンや食材が売られている。まるで町のよろず屋さんのような雰囲気。ここが「猿川」のお蔵なのだ。

「もとはここに流れる猿川から名前をつけました。氏神様のある源流では皿を洗っていたので皿川の名もあったようです。そこから猿川(猿古)となったのです。私はこの名前が好きで、とくにサルコー(サルカワではない)と最後を伸ばすようにしたのです」とおっしゃるのは三代目の伊豆平社長。店(蔵)の下に流れる川がその猿川だ。

 

ボトル

印象的な「猿川」のラベル。右は「まろまろ」と読む

名前とともに印象的なのはその華やかなラベルだ。山水画をヒントに、もともとここにあった松の木をあしらってデザインしたもので昭和44年か45年から使われているとも教えてくださった。

とつとつと語る社長の言葉には重みがある。二代目が早く亡くなり、若いうちから後を引き継いだ現社長と母上。本格的に焼酎造りに身が入ったのは昭和48年ごろから。焼酎が清酒よりも格下であった時代、売れているメーカーの棚に乗せてもらえなかった時代、それらをすべて反骨精神で乗り越えてきた。

「まずは原料。品質第一。まともな焼酎を造ること。お客さんをだまさない焼酎を造ること」である。味わいの特徴は「重厚さ」とも。樽による熟成は一切行わない。さらに、猿川(サルコー)式蒸留機による独特な蒸留を行い、風格ある香味を生み出している。

 

伊豆社長

伊豆社長。丁寧にお話くださる言葉の端々に酒造りの信念が垣間見える

また、超音波を利用したメガネ洗浄機から発想したという超音波熟成焼酎「円円(まろまろ)」も異色だ。超音波によりアルコール分子を均一分散させ水分子で包み込むことによって、まろやかで、軽快で、二日酔いしない焼酎になるのだ。

テイスティングしてみると、「猿川」はすっきりした中にも軽い香ばしさがあり余韻が長い。「円円」はより滑らかで軽快なタッチ。
「銀座で売れる味ではない。自分のファンだけでいい」と言い切る社長の艶のあるお顔には自信と信念が見えた。

株式会社 猿川伊豆酒造