入居者の退去理由を知ることが入居率アップにつながる
退去理由を知ることが大切
アンケートの結果から、入居者の不満の原因が分かり、満足度を上げてこれ以上退去者を出さないために何をすべきかが見えてきます。次の入居者を早く決めるためのリフォームなどの改善にも役立ちます(そうしたことに協力をしてくれない不動産会社とは、つきあわない方が賢明です)。
直接の退去の原因とはいえなくとも、アンケートや聞き取りの中で「収納スペースが足りない」とか「お風呂がバランス釜なのが好きでない」といった不満が出てくることもよくあります。そういう声が出るということは、あるいは他の入居者の方も「次はもう少し収納の多い物件を探そう」とか「今度はきれいなバスルームがついた部屋がいい」と思いながら我慢しているのかもしれません。
アンケートに「家賃が高かった」という不満が書かれていた場合、次に考えている部屋は、他の条件はほぼ同じで今より月に1万円家賃が安いところかもしれません。そうしたケースであれば、家賃を下げることで残ってくれる可能性もゼロではありません。
「犬を飼いたくなったので、ペット可のマンションに移る」という入居者がいた場合、「これを機に、思い切ってペット共生型マンションにしてしまおうか」といった大胆な発想の転換も時には必要です。これは入居条件の緩和ということになります(ただしこの場合は他の入居者の同意が必要になるので慎重な対応が必要です)。
既存の入居者にいかに満足してもらい長く住んでいただくか。企業が顧客の満足度を上げようと努力するように、入居者の満足度を上げる努力を怠らないこと。顧客満足度の向上は、まともな企業であればどこでもやっている当たり前のことです。
「賃貸経営はサービス業」だと強く自覚することは、空室対策の基本といえますので、これを読まれた方は日々忘れることのないようにお願いいたします。