土地活用のノウハウ/土地活用の基本とテクニック

賃貸経営はサービス業!とっても大事な日々の意識(2ページ目)

賃貸経営を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。昔の様に、何の努力をしなくても満室になるような時代はもう終わりました。これからの大家さんは、優良な入居者になるべく長く住んでもらえるよう、常に入居者の満足度を高めていく経営努力が必要です。昔ながらの大家さんの発想は捨て、入居者の立場になって考えなければなりません。賃貸経営を成功させるには、「賃貸経営はサービス業」という意識を持つ事が大切です。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

入居者の立場になって考える

テナント・リテンションを高めるためには、オーナーさんの入居者への日々の対応が大切になります。ある統計によると、これまで住んでいた部屋を退去する原因の85%は、就職や転勤、あるいは結婚して家族が増えた、親と同居することになった等の、移動せざるを得ない理由によるものです。最近では会社の住居手当がなくなる、あるいはリストラといった理由もあります。

残りの15%については、現在の住環境や管理への不満が原因です。つまりオーナーさんの努力不足が原因で入居者が退去してしまったのです。

たとえば真冬に部屋の給湯器が故障したとします。入居者はこの寒い時期に冷水しか使えないのです。お風呂にも入れません。あるいは真夏にエアコンが故障してしまったら、入居者はうだるような暑さの中で夜も眠れない思いをすることになります。

このようなクレームが出たときには迅速な対応が何より大切です。どれほど迅速に対処できたかが、入居者の満足度やその物件への評価に直結します。「賃貸経営はサービス業である」という意識を持ったオーナーさんであれば、即座に業者に連絡を入れて修理あるいは交換を手配するでしょう。すばやく対応して問題を解消できれば、入居者からは感謝の声が寄せられるはずです。

ところがサービス業という意識の薄いオーナーさんは、そんなときでも面倒くさがって、不動産会社や管理会社にすべてを任せがちです。そうなると入居者は、何日間も水しか使えない状態になることも起こりうるのです。そんな対応をされた入居者は、管理に強い不満を抱き、「こんなところに居続けるのはごめんだ」と思うことでしょう。

大家意識の強いオーナーさんは、頭を切り替えていく必要があります。入居者の立場になって考えれば、その時々にどんな行動を取るべきか、分かるはずです。
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