投資信託デビューはいくらから始める?
500円や1000円など、今では少額から買える投資信託。とはいえ、「いくらの金額で投資するべき?」と迷うビギナーも多いでしょう。そこで今回は、自分の投資金額を決めるための4つのステップを紹介します。<投資金額を決めるための4つのステップ>
STEP1:「何のために、いつ、いくら」を決める
STEP2:投資に回せるお金を把握する
STEP3:手持資産の増え方をシミュレーションする
STEP4:目標金額から毎月の必要積立額を算出する
STEP1:「何のために、いつ、いくら」を決める
あなたの投資の目的は何ですか? という問いに、はっきりと答えられる人は意外と少ないもの。しかし単に「お金を増やしたいから」では、せっかくの運用も長続きしないかもしれません。投資は目的ではなく、あくまで将来の希望を実現するための手段です。「40歳までに1000万円つくって独立したい」「60歳までに老後資金2000万円を準備したい」など、夢や目標は十人十色。まずは自分自身が「何のために、いつまでに、いくらにしたいか」という投資の目標を定めましょう。自分自身の将来の希望を描くことが、資産運用の第一歩なのです。
STEP2:投資に回せるお金を把握する
目標が決まったら、次は、投資に回せるお金がいくらあるかを把握しましょう。まず、今持っている金融資産を「日常生活に必要なお金」、「近い将来に使う予定が決まっているお金」、「当分使う予定のないお金」の3つに分類してみましょう。自分の資産状況を確認しよう!
「日常生活で必要なお金」とは、日々の生活費や突然の出費に備えるお金。給料の6ヵ月分から1年分を目安に、いつでも引き出せるよう普通預金、短期の定期預金などに置いておくとよいでしょう。
「近い将来に使う予定があるお金」とは、例えば数年以内に使う予定の住宅購入資金や子供の進学資金など。使う時期が来るまで、定期預金や国債など、安全性、換金性の高い商品に置いておきます。
これら2つに当てはまらない「当分使う予定のないお金」が、投資に回してもよいお金ということ。100万円以上あるという人もいれば、現時点ではゼロという人もいるでしょう。この資金が少ない人、ゼロの人もご安心を。毎月の収入からの積立投資も含めて、目標金額を目指せばよいのです。
STEP3:手持資金の増え方をシミュレーションする
例えば現在30歳、投資に回せるお金が100万円、“60歳までに老後資金2000万円をつくる”という目的で投資を始めるとしましょう。まずは、手持資金100万円を投資した場合の増え方を、下の「終価係数表」を使ってシミュレーションしてみます。
「あまり大きなリスクはとりたくない」というケースを前提に、「3%」の利回りを目指すとします。表の利回り「3%」と運用期間「30年」がクロスする箇所の数字「2.427」を、手持資金の額に掛けます。
- 100万円×2.427=242万7000円
STEP4:目標金額から毎月の必要積立額を算出する
「30年後242万7000円」では目標2000万円に足りないので、残りの1757万3000円は毎月の積立投資で準備していくことにします。今度は下の「減債基金係数表」を使って、30年後に1757万3000円を準備するには、いくらずつ積立てたらよいかを計算します。こちらも「3%」で積立運用するとして、「30年」とクロスする箇所の数字「0.02102」を目標金額に掛けます。
- 1757万3000円×0.02102=約36万9000円
つまり、「手持資金100万円、積立投資毎月3万円、運用利回り3%」で、“60歳までに老後資金2000万円をつくる”という目標を達成できるというわけです。
STEP2で現在投資に回せるお金がなかった人は、上の「減債基金係数表」だけで計算しましょう。前述の例のように”60歳で2000万円をつくる”には、3%の利回りだと「毎月約3万5000円(=2000万円×0.02102÷12カ月)の積立投資」でほぼ目標を達成できる、ということになります。
計算どおりにいかなくてもプランを持とう
もし、「毎月この積立額を捻出するのは難しい」と思ったら、より高い利回りの運用を目指すことで積立額は小さくできます。あるいは「この金額以上の積立ができる」ということであれば、もっと低い利回りでもOKということになります。いくつかシミュレーションしてみて、積立額、運用利回り、ともに実現可能と思える投資プランをつくりましょう。もちろん、これらはあくまで計算上のシミュレーション。実際の運用がこのとおりに行くわけではありません。しかし、プランがなければ実現させたい未来に近づくこともできないでしょう。計算通りにはいかない投資の世界でも、自分でプランを持つことが大事。ゴールに合わせて投資金額を決め、自分に合った運用を始めましょう!
記事監修/鈴木弥生(All About貯金ガイド)
【関連記事】
・初心者にオススメな投資信託の積立って?
・投資信託を買うならどっち?一括投資VS積立投資
・資産形成に便利なツール 早見表
・資産運用で大事なインサイドワークとは?
・窓口で投資信託を購入する前に読む3つのポイント