セクシュアルマイノリティ・同性愛/イベント

愛と青春のNLGR+2012(6ページ目)

今年も6月2日・3日の2日間、名古屋・栄の野外フェスティバル「NLGR+」が開催され、コミュニティが総力をあげて盛り上げました。HIV検査や予防啓発を趣旨としながらも、年に一度のお祭りをみんなで楽しむというあたたかいイベントで、フィナーレの同性結婚式には今回も感涙させられました。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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今年のNLGR+を振り返って

VALENTY WEDDING

VALENTY WEDDINGの社長・豊田涼子さん(左)と専務の方(右)

今年はやはり、一般のスポンサーがついて同性結婚式が行われたというところが新しく、とてもよかったと思います。一生に一度の結婚式だから、できるだけゴージャスな式にしたいというのは、男女のカップルも同性カップルも同じこと。そして、従来は、キリスト教の牧師さんが式を執り行ってくださっていたのですが、今回はミニスター(欧米でいうマリッジ・コミッショナー)による「人間愛結婚式」というかたちで行ったことによって、式を挙げる本人たちのやりたいこと(手紙を読んだりとか)ができるようになり、宗教色なしで心からの気持ちが表現できるようになったのがすごくよかったと思います(考えてみると、日本人ってほとんど無宗教で暮らしてるので、こういうほうが合ってるのでは?)。こんな素敵な式をプロデュースしてくれたVALENTY WEDDINGさんに感謝!です(社長さんへのインタビューがこちらに載っています)

NLGR+

今回結婚式を挙げた二組のカップル。本当におめでとうございます。末永くお幸せに!

みなさんご存じのように、欧米では同性婚や同性パートナーシップ法を認める国や州が少しずつ増えてきていますが、日本ではまだです。親戚や会社の同僚の結婚式には出るけど、ゲイとして結婚式を挙げて親戚や同僚を呼ぶのはけっこう厳しいですよね。僕らには、一生つきあっていこうと決めたパートナーがいても、公に祝福してもらう機会はほとんどないのが現状です。
でも、だからこそ、せめて仲間内でだけでも祝福しようという気持ちで、NLGRでは2002年から同性結婚式を開催するようになりました(今年で10周年だったんですね)。NLGRは、AIDSを発症して命に関わるようなことが少しでもなくなるよう、あるいはHIVに感染していることがわかった人が孤独感に苛まれたり自暴自棄になったりせず、仲間といっしょに幸せに生きていけるようにという願いで行われているイベントです。この結婚式にもそんなあたたかい「祈り」のような気持ちが表れていると思います。本当に尊いことです。

個人的には、名古屋のお友達に会えるのも楽しみのひとつですし、2日間遊びたおして、結婚式で感動して、帰り道にひたひたと余韻が押し寄せてきたりして…とても癒されるのです。そういう充実感を味わえるNLGR+の2DAYSがたまらなく好きで、毎年楽しみにしています。以前は大阪でも「PluS+」がありましたが今は開催されておらず、今年は札幌のパレードもお休みだそうです…そういう意味では、地方の大規模ゲイコミュニティイベントは名古屋のNLGR+が今年唯一ということになりそうです。

こういう町をあげての大きなお祭りは、運営する側も本当に大変ですし、公の助成がないとなかなか難しいというのが実情だと思います。HIV検査の部分は愛知県と名古屋市の支援あってこそですが、2001年のNGRからスタートして11年、(途中、悲しい出来事もありましたが)毎年毎年、一度も休まず、こんなに大がかりな、楽しく、そして感動的なイベントを続けてきたというのは、本当にスゴいこと(10年以上続いているのは二丁目のレインボー祭りと名古屋のNLGRだけです)。そのことはとりもなおさず(何度も繰り返してしまいますが)、名古屋のコミュニティの結束力の証明だと思います。

最後に、たいへんな苦労をしながらあれだけの大規模な、そして感動に満ちたイベントを作り上げたNLGRのスタッフの方たちに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

まだNLGR+に行ったことがないという方、来年はぜひ、お出かけください!

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