文化と自由の都、ライプツィヒの観光名所

leipzig1

芸術と商業が共存し進化を続けるライプツィヒの街 (C)LTM-Bader

ライプツィヒはドイツ東部ザクセン地方に位置する人口50万ほどの街。古くから商業で栄えたこの町では、その経済基盤のもとに多様な文化・芸術が育まれ、バッハやメンデルスゾーン、シューマンといった音楽家や、ゲーテ、ニーチェ、森鴎外などそうそうたる文豪が活躍しました。現在は重要な音楽祭がいくつも開催される「音楽の都」として世界中のファンを惹きつけています。

また「Leipziger Freiheit (ライプツィヒの自由)」という街のキャッチフレーズにもあるように、「自由」はライプツィヒを特徴づける大切なキーワードです。1989年にライプツィヒで始まった市民デモがきっかけとなり東ドイツ全土に反体制運動が広がって、ついにはベルリンの壁崩壊、東西ドイツ統一という平和革命を成功させたのでした。商業で栄えたローマ時代から現在まで、いつの時代もこの街の主役は、進取の気性に富み自由を尊ぶ市民たちでした。

ライプツィヒの見どころは、リングと呼ばれる環状道路内に集中していて歩いてまわれる所がほとんどです。まずは町の中心にあるマルクト広場周辺を歩きながら、そこかしこに漂う自由でオープンな雰囲気を肌で感じてみましょう。

<目次>  

ライプツィヒへのアクセス

空路:フランクフルト国際空港またはミュンヘン国際空港からライプツィヒ=ハレ空港まで約1時間。
鉄道:特急ICEでフランクフルトから約3時間半、ベルリンから約1時間。
 

マルクト広場と旧市庁舎

旧市庁舎

1556年に建てられ第二次世界大戦後1990年に修復された旧市庁舎

毎週火曜と金曜に青空市が立つマルクト広場の一画を占めるのが、ドイツで最も美しいルネッサンス建築の一つといわれる旧市庁舎。現在は1000年にわたるライプツィヒの歴史をたどれる博物館となっています。壮麗な広間や装飾など建物自体も見どころですが、バッハやメンデルスゾーンゆかりの品などコレクションも充実しています。

旧市庁舎の裏手に建つのはバロック様式の旧商品取引所と若き日のゲーテ像。通りを挟んでのびるアーケード街「メードラー・パッサージュ」内にあるレストラン「アウアーバッハス・ケラー」前には、ゲーテの代表作「ファウスト」のエピソードを表した彫像が建っています。

<DATA>
Altes Rathaus
住所:Markt 1
開館:10:00~18:00 祝日除く月曜休館
入場料:6ユーロ 16歳以下と第一水曜日は無料
アクセス:ライプツィヒ中央駅から徒歩10分
 

ニコライ教会

ニコライ教会

ここで始まった平和運動が東西ドイツ統一のきっかけとなった

マルクト広場から東へ100mほど歩くとニコライ教会が建つ広場に出ます。12世紀に建てられその後修復が加えられた教会は、ロマネスクとゴシック様式が同居するスタイル。シュロの木をデザインした柱にパステルグリーンとピンクの内装という、他の教会に類を見ない明るさと美しさが印象的です。この教会のモットーは「開かれた教会」。1989年、この教会で毎週月曜日に行われていた「平和の祈り」が自由を求める市民デモにつながり、ついには非暴力による東西ドイツ統一という平和革命を成功させたのでした。教会では月曜日の平和の祈りが今も続けられています。

<DATA>
Nikolaikirche
住所:Nikolaikirchhof 3
開館:9:00~18:00
アクセス:マルクト広場から徒歩5分
 

トーマス教会

トーマス教会

トーマス教会前に立つバッハの像

ライプツィヒを語るうえで欠かせないのがバロック音楽の大家、ヨハン・セバスチャン・バッハ。バッハが1723年から65歳で亡くなる1750年までの間、合唱団指揮者兼オルガニストとして務めたのがトーマス教会。バッハが教えたトーマス少年合唱団の伝統は激動の時代を経て受け継がれてきました。今や世界中のステージで活躍するようになった合唱団は、ライプツィヒの重要文化財のような存在です。以前、少年たちが共同生活をおくる寮におじゃまする機会があったのですが、勝手にいだいていた厳格なイメージとはずいぶん違って、いい意味で普通の素朴な男の子たちがのびのびと暮らしている様子をみて微笑ましく思いました。教会では金曜と土曜に天使の歌声を聴くことができます!

<DATA>
Thomaskirche
住所:Thomaskirchhof 18
開館:9:00~18:00 少年合唱団のコンサートは金曜18:00と土曜15:00から
アクセス:マルクト広場から徒歩3分
 

ライプツィヒの音楽祭

ゲヴァントハウス

写真のゲヴァントハウスやオペラハウスを中心に様々な音楽祭が開催されるライプツィヒ。

ライプツィヒでは様々な音楽フェスティバルが開催されます。音楽祭の期間中はいつにも増して街中に音楽が溢れ、賑やかなお祭りの雰囲気を楽しめますよ。

バッハ音楽祭 Bachfest
1904年から続くバッハフェストは毎年6月の開催。世界中から音楽ファンが集まり最高峰の演奏に酔いしれます。
 
オペラ音楽祭 Opera Festival
欧州最古の民間歌劇場のひとつ、ライプツィヒのオペラハウスで開催。
 
ゲヴァントハウス音楽祭 Gewandhaus Festival
民間のオーケストラとしては最古のゲヴァントハウス・オーケストラの本拠地で開催。
2021年はグスタフ・マーラーをテーマにマーラー・フェスティバルが開催。

メンデルスゾーン音楽祭 Mendelssohn Festival
ゲヴァントハウスとメンデルゾーンハウスが協力して2021年から再開催。
 
詳しくはライプツィヒ観光局の音楽祭情報ページでどうぞ
https://www.leipzig.travel/en/culture/music/city-of-music-leipzig/

続いては、音楽の都・ライプツィヒを体験できるスポットをご紹介します。
 

バッハ博物館

バッハ博物館

戦後奇跡的に残ったヨハネ教会のオルガン


バッハが活躍したトーマス教会のすぐ向かいに建つのがバッハ博物館。もともとはバッハの友人で良き理解者だった豪商ボーゼの館で、バッハも度々訪れたそうです。館内にはゆかりの品々が多数展示されその生涯と作品を辿ることができます。2010年には改装を終えマルチメディアを取り入れて新しくなった博物館が再オープン。バッハ自筆の楽譜や資料を集めた特別展示室、演奏したパイプオルガン演奏台など貴重な展示物に加え、全作品をヘッドフォンで聴けるコーナーや触れると音楽が流れるサウンドチューブなど、見るだけでなく体験しながら楽しめる博物館になっています。併設のカフェ・グロリアは落ち着いた雰囲気で一息つくのにおすすめの場所です。

<DATA>
J.S.Bach Museum
住所:Thomaskirchhof 15
開館:10:00~18:00 月曜休み 
入館料:8ユーロ 第一火曜日は無料
アクセス:マルクト広場から徒歩3分
 

メンデルスゾーン・ハウス

メンデルスゾーンハウス

メンデルスゾーンの所持品やデスマスクも展示されている。

ライプツィヒで活躍した偉大な音楽家の一人、フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ。バッハの再評価を促した功績でも知られる彼は、26歳の若さでライプツィヒのゲヴァントハウス・オーケストラの楽長を務め、ドイツ初の音楽学校を設立するなどヨーロッパの音楽史に多大な影響を与えましたが36歳の若さで他界してしまいました。彼が実際に住んだいくつかの家のなかで、唯一現存公開されているのが最後に暮らした家「メンデルスゾーン・ハウス」。忠実に復元された部屋には書簡や自作の水彩画などゆかりの品々が並び、息をひきとった場所にはデスマスクも展示されています。シューマンやワーグナーも訪ねたという音楽サロンでは、日曜の11時からコンサートが開かれます。

<DATA>
Mendelssohn-Haus
住所:Goldschmidtstr 12
開館:10:00~18:00 無休
入場料:8ユーロ(コンサートは別)  
アクセス:マルクト広場から徒歩15分、オペラから徒歩5分

この他にもライプツィヒには、ワーグナーが通った旧ニコライ学校やシューマンが住んだ家など音楽の歴史を体験できる場所がたくさん。町に点在する音楽史跡は「音楽軌道」と呼ばれるルートでつながれ、路上に設置された案内板を目印に街歩きを楽しむことができます。

ライプツィヒは音楽だけではなくアートの分野でも注目されています。この街ではなんと3万人以上が芸術・デザインなどの創造産業に従事しているのだそう。個性あふれるアートスポットをご紹介しましょう。
 

グラッシー博物館

グラッシィ博物館

楽器、民俗学、工芸からなる博物館。古楽器コレクションは世界最大規模。

環状道路の東側にあるパイナップル型の金の屋根飾りをつけた建物は、2005年に改装を終えた3つの博物館(楽器博物館、民族博物館、工芸美術館)を有するグラッシー博物館。2012年に常設展のリニューアルが完了した工芸美術館では、古代美術から現代まで2500年にわたる工芸文化の歴史を辿ることができます。マイセン磁器やバウハウス・デザインの家具など貴重なコレクションの数々はとても興味深いもの。各博物館とも見ごたえがありますのでぜひじっくり時間をとって鑑賞してみてください。

<DATA>
Grassimuseum
住所:Johannisplatz 5-11
開館:10:00~18:00 月曜休み 
入場料:共通券15ユーロ 第一水曜日は無料
アクセス:マルクト広場から徒歩15分、オペラから徒歩5分
 

芸術村 シュピネライ

シュピネライ

廃業したかつての綿工場跡地を芸術村として再生させた「シュピネライ」

町の西側に広がるPlagwitz(プラークヴィッツ)地区には、昔の紡績工場跡地をそのまま利用した芸術村「シュピネライ」があります。広大な敷地内には約100人のアーティストのアトリエ、ギャラリー、廃墟のような展示ホール、小さくて味のある映画館のほか自転車屋やワインショップなども入居し、なんともゆる~くボヘミアンな雰囲気のコミュニティを形成。新ライプツィヒ派と呼ばれるアーティストの多く(今や作品が億単位にもなったネオ・ラオホも!)がアトリエを構え、世界から注目される現代美術の発信地となっています。国内外のアートスポットめぐりを楽しみとしている筆者、この場所では興奮を禁じえませんでした。この小さな「村」には、自由で平和に暮らすためのヒントがつまっているように思います。

<DATA>
Spinnerei
住所:Spinnereistr 7 
アクセス:Plagwitz駅から徒歩10分
 

プラークヴィッツ地区の運河めぐり

運河ツアー

歴史ある建築や豊かな自然を楽しめる運河ツアー

工業が衰退した後は退廃的な雰囲気が漂っていたプラークヴィッツ地区ですが、芸術村として再生したシュピネライとともに再開発が進められてトレンディなエリアへと生まれ変わりました。ここでは、再開発というのは新しいビルを建てるのではなく古い物を再利用、再生させるという考え方です。周辺の運河沿いでは19世紀の建物が当時のままに修復され、瀟洒な邸宅や素敵なレストランなども点在して小ベネチアとも呼ばれるほどに。美しいエリアをのんびりめぐれるボートツアーもおすすめです!

<DATA>
Bootsverleih
住所:Klingerweg 2
料金:14ユーロ(70分のツアー、飲み物付) ツアーの他、貸ボートやカヌーもあり
営業時間:10:00~20:00 冬季を除く天気の良い日
TEL:0341-4806545 予約がおすすめ
アクセス:Klingerweg駅から徒歩5分

【関連記事】
ライプツィヒのカフェ・レストラン
ベルリンの壁とは? 建設から崩壊まで
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。