不動産価格が上がることは考えにくい
家具、家電などや仲介手数料はアップ
新築マンションや建売住宅、新築一戸建てを販売する際には、総額表示が義務づけられています。よって、今購入している新築マンションの価格には既に消費税額が含まれています。仮に消費税がアップしたとしても広告上の表示は消費税額を含んだ額です。例えば、現在4,000万円が相場のエリアが、消費税がアップしたとしても消費税分だけ市場価格が上がるとは考えにくいと思います。ただし、注文住宅やリフォームなどは利益構造を考えるとある程度は上昇するかも知れません。人口増加が見込めないエリアは、その分土地価格が下落する可能性も否定できません。
留意したいのは、不動産購入と同時に揃えることの多いカーテンや家具、家電なども消費税のアップの対象であること。住宅購入支援機構が実施した住宅取得に係る消費実態調査(平成23年度)によれば、1世帯あたりの平均耐久消費財購入額は、新築分譲マンションで118.4万円、新築一戸建てでは175.1万円です。
また、中古マンションの購入などで仲介会社に支払う仲介手数料も消費税がかかります。こちらも一定額かかりますので費用アップにつながります。
消費税アップは、管理費にも影響
家族の今をどうとらえるかで判断したい
土地価格など一部を除き広範囲な商品の販売やサービスの提供に課税される消費税。マンションの管理に関しても清掃業務やフロント業務、エレベーターのメンテナンスなどのサービスに課税されます。また、大規模修繕や補修などの工事費にも課税されますので、将来の修繕計画にも影響は出てくるでしょう。小規模マンションやタワーマンションなど維持・管理コストの高いマンションへの影響は大きいと思います。前回の消費増税では、消費が縮み景気後退の一因になりました。増税前に買うのが得か損かという議論も、その影響の大きさを考えると空しい感じがします。前ページ図の東京圏のマンション流通価格指数を見ると、テレビなどの家電の価格下落に比べ、意外と価格が下がっていないことに気づきます。低金利や東京圏の人口増など様々な要因がありますが、家が生活の大きな位置づけと思っている人が依然として多いからだと思います。
消費税の行方は、気になるところではありますが、まずは家族に立ち返って今家を買うべきかどうか、理想の住まいが見つかるかどうか、じっくり考えてはいかがでしょうか? もし家族で過ごす時間こそが家の価値と考えている場合は、どうせ買うなら早く購入した方がメリットが大きいと思います。幸いまだ駆け込み需要はそれほど発生していないようですから。