15坪の家ってそもそもどのくらいの広さ?
そもそも「15坪」はどのくらいの広さなのでしょうか。1坪は3.30579平方メートルなので、「15坪=約50平方メートル」になります。「1坪は畳2枚分」と覚えている方なら「30畳程度」とすぐイメージできるのではないでしょうか。
一戸建ての延べ床面積として「15坪」はミニマムサイズと言ってもよいでしょう。延べ床面積が15坪の家の間取りを検討する際には、いかにして必要な部屋を納めていくかということ、そして狭さの克服がテーマとなってきます。
延べ床面積 15坪の狭小住宅の間取り例
【図1】は1階も2階も「縦4.095メートル、横5.915メートル」の長方形をしています。ワンフロア当たりの広さは24.22平方メートル(7.3坪)、延べ床面積は48.44平方メートル(14.6坪)の木造2階建て住宅の間取り図です。日当たりの良い2階にリビング・ダイニングを配し、カーポートの上に設けたベランダはリビング・ダイニングの床と同レベルでつなげて内部空間と外部空間を一体化させ、リビングの狭さを解消しています。また、リビング・ダイニングの天井を高くし、2階の畳の間(3帖)の上にロフトを設けることで縦方向でも広がりを取り込んでいます。
極小住宅の狭さ対策 縦と横に広がりを持たせる
狭さ対策のため「平面」と「断面」を同時に計画し、吹抜けや段差などを利用して、縦方向のダイナミックな空間構成を行うと視覚的な広がりが得られます。縦方向の広がりを取り込む手法としては、床に段差を設けてスキップフロアにしたり、屋根裏空間を利用してロフトをつくる方法などがあります。
狭小住宅ではスキップフロアやロフトで縦方向の空間に広がりを
スキップフロアとは、同じ空間内に床に段差をつけて「小上がり」や「中2階」を設けることです。視覚的な変化をもたらし空間を広くみせる効果や、空間の有効活用にもなります。
ロフトとは、屋根裏部屋を有効活用した天井の低い空間のことをいいます。屋根の下に平らな天井を張らずに、勾配屋根の下の空間をそのまま生かします。
ロフトは天井高さを低く抑えることで延べ床面積に算入しなくて良いことになっています。ロフトなら制限面積を気にせず設けることができます。
狭小住宅ではウッドデッキやベランダで横方向の空間に広がりを
次に狭小住宅の平面計画のポイントとして「外部空間の取り込み」があります。例えば、リビング・ダイニングに隣接してウッドデッキやベランダなどの屋外スペースを設けることで、その外部空間を第2のリビング(=アウトドアリビング)として使うことができ、室内にいても窓を通して外に広がる視覚的な開放感が得られます。3帖でも多目的に使える畳の間
小さな空間でもよいので、自由に使える多目的なスペースがあると便利です。【図1】の間取りも、15坪と限られた面積の中で最低限の寝室とリビング・ダイニングを確保した上で、2階に3帖の畳のスペースを設けています。ここは来客があった時に泊まったり、日常生活の中でも洗濯物をたたんだり、疲れた時には寝転がったりと、貴重な空間となるでしょう。
15坪の家の適切な家族人数は?
延べ床面積が50平方メートル(15坪)の家に住む家族の人数は何人くらいが適切でしょうか?「住まいの広さはどのくらいが基準になる?平均的な延べ床面積は?」でご紹介しましたが、一般的な戸建て住宅の場合、単身で55平方メートル、2人で75平方メートルが住まいの広さの目標値です。ですから、延べ床面積が50平方メートル(15坪)程度の家は、単身の方、もしくはご夫婦、親子など1~2人の家族構成に向く広さと言えます。狭小住宅の代表的な建物
狭小住宅として有名な建物に、1966年に建築家・東孝光氏の設計で建てられた「塔の家」があります。東京都渋谷区神宮前の一等地、敷地面積21平方メートル(6.35坪)の変形した土地に、地上5階、地下1階のRC造で建てられた自邸です。日本の住宅建築史上重要な意味を持つ建物ですので、この建物については後ほどご紹介する機会を持ちたいと思います。【関連記事】
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