BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

扱いやすいGTモデル、満を持して登場したグランクーペ(2ページ目)

現行6シリーズ発表時から予告されていたBMW初の“4ドアクーペ”がついに登場。全高世界で最も背の低いであろう4ドアサルーンに、一足早くシシリー島で試乗してきました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

“最も背の低い”4ドアサルーン

BMW6シリーズグランクーペ

5月上旬にイタリアのシシリー島で開催された国際試乗会の風景


イタリア、シシリー島。5月上旬ともなれば、もうすでに夏を思わせる日差しにあふれており、海は真青に映え、山々の緑は白く霞み始めていた。ちょっと埃っぽいなあ、というシシリアの印象は変わらない。街を走るクルマはフィアットがダンゼンに多く、小さな街では半分くらいはパンダ(新しい方)だ。

そんななかで見る実物は、写真よりもぐっとワイド&ローに映る。ホイールベースが113mm伸びただけで、ほかはクーペとほとんど変わらない。ルーフを格好よく伸ばすため、わずかに全高を持ち上げているけれども、1.4mを切った。初代CLSクラスに近い高さで、全長5m、全幅1.9mなのだから、低く見えて当然だ。全高世界で最も背の低い4ドアサルーンだろう。

既存の6シリーズとの最大の違いは、もちろん、ホイールベースが伸びてドアが追加されたことである。だから、まずは試しに、と、リアシートに乗り込んで、100km以上を過ごしてみた。
BMW6シリーズグランクーペ

オプション類も充実、Mスポーツパッジージや専用に開発されたBMW Individualを用意。アダプティブLEDヘッドライトやバング&オルフセン・サウンドシステムなども選択できる


リアドアを開けようとすると、ウィンドウの向うにグランクーペのロゴが見えた。ちょうどウィンドウでラミネートされる格好で、なかなか格好いい。こうゆう“くすぐり方”をBMWはどこで覚えたんだろう……。日本人ならば、低いルーフをくぐって入ることも、ひとつの趣味だと考えるだろうか。乗り込んでしまえば、平均的な身長の日本人男性なら、頭上、足もとともに、スペース的な問題はない。さすがに5シリーズサルーンよりも乗り心地は硬いが、すっぽりと収まった感があって、100kmぐらいなら、どうってことはなかった。

ちなみに、後席センターにもシートベルトが付いているので、5人がけも可能というわけだが、実際にはコンソールがリアシートに接しているため、大きく跨いで座る格好になってしまう。中央席は、ベルトがあるだけの、本当に本当のエマージェンシー、“ちょっとそこまで”レベルであった。
BMW6シリーズグランクーペ

オーナーの好みに合わせて内外装をカスタマイズできるBMW Individualを用意。オパールホワイトとアマロブラウンの組み合わせ(写真)はグランクーペ専用となる

BMW6シリーズグランクーペ

4+1シートとしてデザインされた室内空間は、クーペより113mm長いホイールベースにより後席空間が広くなっている。ラゲッジ容量は460~1265リッター


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