走りにおいての大幅な進化は、まさに1クラス上の世界を切り開いた。BMW・Z4は、今世界で最も優れた走りを備えたオープン2シーターだといえるだろう。とくに走りの味付けにおいての加減が実に絶妙で、敏感にも鈍感にもなり過ぎていない。まさにイマドキの理想の走り味が構築されているのだ。

各操作系におけるフィーリングに関しては、これまでのBMW同様非常に優れている。そんな中で注目は、パワーステアリング・システムにBMW初の電動式を採用したことだ。

電動パワステといえば、ステアリングフィールに違和感が付き物だが、果たしてZ4のそれは、間違いなく「現在世界で最も違和感の少ない」電動パワステだといえる仕上がりだったのである。これには本当に驚いた。

最近登場したホンダ・アコードやマツダRX-8も、確かに電動パワステ採用車としては、かなり違和感が少ない仕上がりを見せていたわけだが、Z4のそれはさらに一枚上手だったのである。ステアリングを握った瞬間から、電動であることなど忘れてしまうほどの自然な感触がある。ステアリングから感じられる手応え感、操舵したときの重み、路面やタイヤからの情報のフィードバック、不要な振動伝達の低減など、あらゆる部分において二重丸といえるだけの内容である。もちろん、正確性が高く思ったままに操舵できる。

凄いのは、ホンダ・アコードやマツダRX-8が採用しているラック同軸タイプ(これが有利といわれている)ではなく、割にコンベンショナルなシャフト部分にモーターを組み込んだタイプを用いていること。これまでこの形式はどうしても違和感が出てしまうとされてきたわけだが、Z4ではそれがウソのように全く問題がないのである。

おそらくモーターを制御するソフトウェアが、相当に高度な内容を持っているのだろう。事実走り出してしまうと、電動云々であることはすっかり忘れ去ってしまったほどだった。正確性も高く、快適性もかなり上々であるこのステアリングを始め、操作系の感触は相変わらず惚れ惚れするBMW流である。全ての操作系はしっとりとしていて、必要な情報を余すことなく伝えてくれるものに仕上がっていたのだった。

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