5秒で起動の「クイックテレビ」
本モデルの目玉的な新機能は、ワンタッチで5秒後にテレビ番組を視聴できる「クイックテレビ」の搭載だ。専用のチューナーが搭載された地デジ放送専用となっているが、パソコン独特の起動時間の長さにイライラしないですむのは恩恵が大きい。このほか、地デジ/BS/110度CSチューナーをダブルで搭載。高画質化エンジンの「Dixelエンジン2」を備え、従来モデル同様、最大15倍の長時間録画もできる(ダブルも可)。なお、B-CASカードは「mini B-CASカード」となっている。抜き差しの際に紛失しないように注意したい。
DTS対応の高音質
スピーカーは従来と同じくONKYO製品で、出力は6W。2つのスピーカーで擬似的なサラウンドサウンドを再現する「DTSサラウンド・センセーション」、ノイズを調整する「DTSクリアー・オーディオ」など7つの高音質化技術で構成される、DTS Ultra PC II Plusを採用。他社に先駆け、富士通製品でいち早く採用された音響技術だ。せっかく音響メーカー製スピーカーを搭載しながら、以前のモデルでは、一部に「音質がややこもり気味」という評価があった。今モデルは、スピーカーの角度が床に反射させるものになったせいか、床面の材質によっては、「くっきり感」が増したような印象を受けた。このスピーカーはパワーオフ時でも使えるので、デジタル音楽プレイヤーからの出力用などにも適している。
HDMI入力ポートも備える。デジタルビデオ機器やゲーム機からの入力が可能で、こちらも、OSを起動しない状態でも使えるのが便利だ。
本モデルの最大の特徴はデザイン面での変更だが、HDMI入力やクイックテレビという便利な機能アップもある。
価格は、発売当初は21万5000円前後だったが、最近では17~19万円となっている。下位機種のFH54/HTはさらに安価で平均13万円台だが、CPUは2コア4スレッドのCore i3-2350M(2.30GHz)、メモリ4GBでHDDは1TB、テレビチューナーは地デジx2のみ、HDMIポートがないなど、価格以上に機能が簡略化されている感がある。
テレビをはじめとするAV機能を堪能したいユーザーには、FH56/HDは最有力の選択肢といえるだろう。
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富士通 FMV ESPRIMO FH