名所・旧跡/季節ごとのおすすめ名所

どこまでも続く桜並木に感動! 北上展勝地の桜/岩手

みちのく三大桜の1つに数えられる北上展勝地は、どこまでも続く長い桜並木の下をのんびりと散策しながらお花見が楽しめる素敵な桜の名所です。観光馬車や北上川にかかる鯉のぼりなど、素朴な風景もあわせて楽しめる北上展勝地の桜をご紹介します。

村田 博之

執筆者:村田 博之

名所・旧跡ガイド

どこまでも続く桜並木に感動! 北上展勝地の桜

北上展勝地の桜並木(1)

みちのく三大桜の1つ、北上展勝地の桜並木(2006年5月3日撮影)

日本列島を南から北へ春色に染め上げてきた桜前線。例年では4月後半になると北東北の地まで北上が進み、各地で色鮮やかな風景を楽しめるようになります。

そんな東北の春の風景で毎年人気を集めるのは、やはり桜が花咲く風景。中でも「みちのく三大桜」に数えられた名所には毎年大勢の方が訪れていて、その素晴らしさにリピートされる方も多数いらっしゃいます。

今回は「みちのく三大桜」の中から、北上展勝地の桜並木をご紹介します。ゆったりと流れる北上川の川岸に長く広がる桜並木の美しい風景は、歩いている時間を忘れてしまうほど素敵ですよ。

<目次>
 

展望に優れた景勝地が美しい桜の名所になりました

展勝地の由来と桜

展望の良い景勝地として名付けられた展勝地(2006年5月3日撮影)

北上展勝地(きたかみてんしょうち,Googleマップ)は、岩手県南部の内陸部、北上市にあります。

北上展勝地は、東北新幹線 北上駅の東側に位置し(Googleマップ)、市の中心部を流れている東北最大の川、北上川の東岸に細長く延びる公園。近くの高台からの風景が「展望」のよい「名勝」「景勝地」だったことにちなんで、「展勝地」という独特の名前がつけられました。
 
北上展勝地の桜並木(2)

珊瑚橋から眺めた北上展勝地の桜並木と北上川(2011年5月1日撮影)

展勝地の桜並木は、大正時代に植樹されたソメイヨシノが育って形成されたもので、その長さはおよそ2キロメートルにも及びます。

現在では弘前城(ひろさきじょう、青森県)、角館(かくのだて、秋田県)と並んで「みちのく三大桜」の1つに数えられる名所となり、毎年桜が咲く時期になると大勢の人が訪れる名所になりました。
 

桜のトンネルも現れる静かな桜並木をのんびり歩く

北上展勝地の桜並木(3)

北上展勝地の桜並木の入口(レストハウス側)。
蒸気機関車とラッセル車が静態保存されています(2011年5月1日撮影)

それでは、北上展勝地の桜並木を歩いてみましょう。

北上展勝地は、北上川の下流側にのみ駐車場や展勝地レストハウスなどの施設が整備されています。桜並木を歩く時は、下流側から上流に向け往復する形です。
 
北上展勝地の桜並木(4)

晴れた日の北上展勝地の桜並木。青空と桜のコントラストが美しい(2006年5月3日撮影)

桜並木の下の道は、アップダウンのない平坦な広い道で、通れるのは歩行者のみ。車を気にすることなく、のんびり歩くことができます。ただし舗装はされておらず、砂利道をずっと歩く形になりますので、歩きやすい靴を履いた方がいいですね。
 
蒸気機関車 C58-342号機と北上展勝地の桜

展勝地に保存されている蒸気機関車 C58-342号機と桜(2006年5月3日撮影)

駐車場の近くの桜並木の横には、盛岡周辺で活躍していたC58形蒸気機関車とJR北上線の除雪に使われていたラッセル車が静態展示されています。桜と蒸気機関車の絵になるシーンを見つけて、カメラを向ける方もたくさんいらっしゃいますね。
 
北上展勝地の桜並木(5)

どこまでも続く北上展勝地の桜並木(2011年5月1日撮影)

桜並木は北上川沿いのサイクリングコースと並行する形で、どこまでも続いています。さらに桜のトンネルなど、桜が創り出した様々な風景が次々と形を変えて現れます。

実は北上展勝地の特筆すべき所は、この長い桜並木の途中に露店がほとんど出ていないこと。その分、桜が連なる自然の風景だけを歩きながら満喫することが可能です。
 
北上展勝地の桜並木(6)

ゆるやかなカーブを描く北上展勝地の桜並木(2006年5月3日撮影)

時折、視点を変える意味で桜並木の外側に出てみると、そこにはまた違った桜の風景が現れます。

川岸に出れば北上川の流れと桜の組み合わせ、反対側はゆるやかにカーブした桜並木……と思い思いのアングルを見つける楽しみも生まれます。
 
北上展勝地の桜並木(7)

北上川にかかる珊瑚橋付近が上流側の桜並木の入口。
サイクリングロードに咲く水仙ともコラボレーション(2011年5月1日撮影)

北上川にかかるクリーム色の鉄橋、珊瑚橋(さんごばし)が見えてくると、北上展勝地の桜並木の上流側の入口です。

珊瑚橋の橋上からは桜並木を見渡せますし、橋のデザインもモダンなので桜並木と組み合わせて見るのもいいてすね。またサイクリングロードに沿って植えられている水仙が花開いていると、鮮やかな色彩の対比も楽しむことができますよ。
 

観光馬車に乗って桜並木を楽しみましょう

北上展勝地の観光馬車(1)

北上展勝地の名物、桜の下を走る観光馬車(2011年5月1日撮影)

北上展勝地の桜並木が花開いた時に行われる北上展勝地さくらまつり。この北上展勝地さくらまつりで、毎年行われているイベントの一つが観光馬車の運行です。

駐車場近くの蒸気機関車の前から、珊瑚橋近くの児童公園までの桜並木の下を馬に曳かれた観光馬車がのんびりと走ります。
 
北上展勝地の観光馬車(2)

観光馬車が展勝地の桜並木をのんびり進んでいきます(2011年5月1日撮影)

乗って楽しむもよし、観光馬車が通り行くさまを桜並木と一緒に見るのもよし、北上展勝地ならではの楽しいイベントですね。
 

優雅に泳ぐ鯉のぼりと桜並木のコラボレーション!

展勝地の桜と鯉のぼり(1)

北上川の上を元気に泳ぐ鯉のぼりと北上展勝地の桜(2006年5月3日撮影)

北上展勝地の横を流れる北上川の川幅は150メートル前後ありますが、さくらまつりの期間中はこの北上川の上に鯉のぼりが優雅に泳ぎます。
 
展勝地の桜と鯉のぼり(2)

珊瑚橋をバックに泳ぐ鯉のぼりと北上展勝地の桜(2006年5月3日撮影)

鯉のぼりが泳ぐ場所は、珊瑚橋の下流のポイントで、もちろん桜並木の桜と共に楽しむことができます。春の訪れが遅い北東北ならではのコラボレーションですね。

また、さくらまつりの期間中は、北上川の川面から展勝地の桜並木を眺めるむ遊覧船や、北上駅東口近くの川岸から北上川を横断して展勝地に至る渡し船も運航されます(2023年は運行中止)。いろいろな切り口で楽しんでみてください。
 

展勝地の桜並木、一望できますよ!

北上展勝地の桜並木(8)

陣ヶ丘から眺める北上展勝地の桜並木(2011年5月1日撮影)

桜並木の下を歩くのが楽しい北上展勝地ですが、可能であれば桜並木の全景も見てみたいもの。そんな願いを叶える場所がすぐ近くにありました。

その場所は展勝地の駐車場をはさんだ道路の向かいにある小さな丘、陣ヶ丘。ここに登ると展勝地の全景を俯瞰することができます。

時間に余裕があれば、ぜひこちらにも足を伸ばすことをおすすめします。
 


みちのく三大桜の1つとして、人気を誇る北上展勝地の桜並木をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

例年であれば4月下旬が見頃ですが、その年の気候により見頃は大きく変わります。北上展勝地さくらまつりのWebサイトなどで見頃の時期を確認して、桜の風景が堪能できる北上展勝地にぜひ出かけてみてください。
 

北上展勝地へのアクセス

地図:Gooleマップ
アクセス:
<鉄道>
東北新幹線はやぶさ/やまびこ

北上への鉄道アクセスとなる東北新幹線「はやぶさ」「やまびこ」

・東北新幹線「はやぶさ」「やまびこ」で北上駅下車。
北上駅東口から展勝地入口の珊瑚橋まで徒歩約20分。
・さくらまつりの期間中、混雑期のみ北上駅東口(新幹線側)より展勝地までのシャトルバス(有料)運行があります。
・さくらまつりの期間中、北上駅東口から北上川を横断する渡し船もアクセスに利用できます(2023年は運行中止)。
 

<車>
・東北道 北上江釣子インターチェンジから国道107号線で北上市内中心部、遠野方面へ。
北上川を渡った後、川沿いに下流方向へ進む。
 展勝地の下流側に駐車場があります。
※桜のシーズンは駐車場待ちの長い渋滞が発生しますので、時間に余裕を見てお出かけ下さい。

【関連サイト】 ◇「名所・旧跡」ガイドで紹介したみちのく三大桜に関する記事はこちらです。 「桜の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで桜が楽しめる名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
「東北の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで東北地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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