ゲーム業界ニュース/ゲームニュース講座

いつの間に交換日記こそ3DSに内蔵するべき(2ページ目)

ニンテンドー3DSには、買った時に初めから搭載されいるゲームがいくつかあります。しかし、これこそ内蔵してあればいいのに、とガイドが強く思うゲームがあるんです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

無駄で面倒なツール

3DSの図

ちょっと意地悪ですが、非効率なコミュニケーションツールであるという言い方もできます。

あえて無理に意地悪な言い方をすると、いつの間に交換日記というゲームは、3DSのソーシャルなコミュニケーションツールとして考えた時には、相当に不便で面倒なツールです。何かやりとりをしようとするたびに手書きでいちいち書かなければいけません。ちょっと不器用な人だと、タッチペンで綺麗な字を書こうとしたら、なかなか大変なものです。

受け取る方も受け取る方で、手紙を見るたびに最初から書き始めようとするんですから、面倒と言えば面倒です。もちろん、ボタンでアニメーションを飛ばすこともできますが、そんなことをするんだったらそもそもいつの間に交換日記を使う意味もよく分からなくなってきます。書かれた文章はテキストデータじゃないわけで、コピーアンドペーストすることもできませんし、転送もできないようになっています。

つまりコミュニケーションのツールとしては非効率なんです。で、3DSというハードにとっては、この非効率なツールをわざわざ提案することにすごく意味があるんです。

無駄に魔法をかけて面白くする

3DSの図

便利なコミュニケーションツールじゃなくて、楽しいコミュニケーションツール

コミュニケーションの効率性を考えれば、手書きで書いたものをアニメーションで再生するなんて無駄そのものです。なんの意味もありません。しかし、そもそもユーザーは3DSで効率的なコミュニケーションなんて求めてはいません。当たり前の話で恐縮ですが、そんなものは携帯電話かスマートフォンですればいいんです。

3DSはコミュニケーションを便利にするツールである必要はほとんどなくて、それよりはコミュニケーションを面白くしなければいけません。だって、ゲームハードなんですから。なので、無駄でもいい、面倒でもいい、不便でもいい、ただしそれらに魔法をかけて、面白くして欲しいんです。その魔法にみんな、驚いたり、喜んだりするんです。いつの間に交換日記は、冷静に考えればよっぽど面倒なプロセス満載の作りに、それはもう強力な魔法がかかっていて、とても魅力的になっています。

そういう意味で、いつの間に交換日記は、まさに3DSが提案すべき価値を体現したようなゲームであると言えます。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます