現在の当主ジャン・グランベール・アルニス氏。プリントタイにユーモアのセンスを感じます
アルニスのアイコン、フォレスティエール
アルニスを象徴するフォレスティエール 16万5000円~
――建築家のル・コルビュジエのために作ったと聞いていますが。
「ル・コルビュジエが大学で教鞭をとっていたときに、とにかく動きやすいジャケットを作ってほしいという注文が入り、ミッシェル(・グランベール・アルニス)と考えて1947年に製作しました。当時、パリでこのような服を着ている人は一人もいませんでした。それ以来ずっと継続して作っています」――現在のものはオリジナルに近いのですか?
「オリジナルと同じと言ってもいいです。スタンドカラーや大きめのポケット、ややゆったりしたシルエットなどもそのまま受け継いでいます。細かな違いはライニングがキルティングに変更されたことくらいでしょうか。当時からそうですが、中にセーターを着てもいいですし、ネクタイを締めなくても問題ありません。カジュアルウエアの祖先みたいなものです」
現在のフォレスティエールのライニングにはキルティングが施されるなど、オリジナルよりおしゃれになっている
――60年以上経っていますが、今でもロングセラーなのですか?
「もちろんそうです。パリの店舗だけで各シーズン400着は売れています。既製品で購入される人が多いですがオーダーメイドで仕立てられる方もいますね。色違いを20着持っている方もいるんですよ。そうそう、去年の夏にフランスの首相が大統領のサマーハウスでフォレスティエールを着ていて話題になりました。季節に合わせて着られるように、素材もフランネルやリネン、シルクなどを用意しています」
【DATA】
フォレスティエール:16万5000円~(※素材により価格が変わります)
コットン・ナイロン:16万5000円
コットン・カシミア:19万円
2色使い:21万円
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