宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

月組トップスター霧矢大夢・蒼乃夕妃―退団(2ページ目)

2012年4月22日、月組トップスター・霧矢大夢さん、娘役トップスター・蒼乃夕妃さんが、宝塚歌劇団を卒業しました。クオリティの高い舞台を見せてくれた実力派のトップコンビでした。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド


月組トップスター時代
2010年『紫子』紫子/佐伯碧生 *トップお披露目
2010年『THE SCARLET PIMPERNEL』パーシー・ブレイクニー *本公演トップお披露目
2010年『ジプシー男爵』シュテルク・バリンカイ
2010年『STUDIO 54』ホーリー・アシュレイ
2011年『バラの国の王子』野獣
2011年『アルジェの男』ジュリアン・クレール
2011年『我が愛は山の彼方に』朴秀民
2012年『エドワード8世-王冠を賭けた恋-』デイヴィッド・ウィンザー

きりやん……霧矢大夢さんの舞台を観て私がいつも真っ先に感じること。「気持ちいい!」。踊り出し、歌い出し、台詞の第一声すべてが、ビシッと決まっている。ブレない。そして観終わった後、あらためて思うのです。「あぁ~気持ちよかった~」と。

宝塚歌劇団に首席で入団。
真矢みきさん、真琴つばささんといった、自分のカラーを強く打ち出す存在感のあるトップスターの元で下級生時代を伸び伸びと過ごし、新人公演主役を果たします。
わずか研3の『ハウ・トゥー・サクシード』新人公演(第1部)で、大勢の上級生を抑え、初主役に大抜擢。
そして月組組替え後の、伝説の新公『ノバ・ボサ・ノバ』。生き生きと飛び回り跳ね回り、力強いシナーマンを聴かせ、関西弁でのアドリブから閉幕後の主演の挨拶に至るまで、新人とは思えぬ堂々とした技量、姿が、語り草となりました。

『SLAPSTICK』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

『SLAPSTICK』でバウホール公演の単独主演を果たします。
やがて、『ベルサイユのばら』のオスカル、『エリザベート』のルキーニ、フランツ、『あかねさす紫の花』の中大兄皇子、『ME AND MY GIRL』のジョン卿、博多座公演では主役のビルと、宝塚歌劇の代表作を演じる機会にも恵まれ、好評を得ました。

「月組公演における演技」を評価され、2009年「平成21年度第64回文化庁芸術祭」において新人賞を受賞。
そして、中日劇場公演『紫子』『Heat on Beat!』で、月組トップスターに就任しました。

“基礎がしっかりしている”“三拍子(歌、踊り、芝居)揃っている” “品格がある”“華がある”“センスがある”……。舞台人として当たり前のように思われるけれど、とても難しいこうしたことをすべて兼ね備えているスターでした。
『アルジェの男』『Dance Romanesque』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ


「動の役か静の役かどちらがいい?」と聞かれても「どちらも」。「コスチュームプレイか現代物かどっち?」と聞かれても「どちらも」。演出家らスタッフも、色々な冒険ができ、またしたくなったことでしょう。

溌剌として爽やかな『ジプシー男爵』のシュテルク・バリンカイ。清らかで優しい『バラの国の王子』の野獣。野心に溢れ影のある男『アルジェの男』のジュリアン・クレール。

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