都心の特等席

アークタワーズ

アークタワーズ

ウィキペディアによれば、「山の手」とは上手(かみて)下手(しもて)と同じように方向を示すものであって、「手の形に似ているからとする俗説は誤り」と指摘している(2012年4月時点)。果たして本当にそうなのかは定かではないが、東京の地形を俯瞰すると、都心部で平地と高台が入り組む様(さま)は、まさに武蔵野から伸びた手の指先がちょうど港区近辺にあたるようで興味深い。

例えば、六本木通りを渋谷方面から都心に向かう。すると「六本木」交差点を過ぎたあたりから、道は急な下り坂にさしかかる。下りきった右側には「アークヒルズ」。では「アークヒルズ」の向こう側(方角で言えば南東)は、同じ高さでなく、スペイン坂の名の通り、「スペイン大使館」に向かって上り坂だ。そして、さらに南東方向(虎ノ門)へ向かって、地面は下る。つまり、「アークヒルズ」の一画が西に伸びる尾根のはじまり。まさに、手の「指先」にあたるのだ。

東京タワーを南に望む「六本木1丁目」

東京タワーを南に望む「六本木1丁目」


都心を東西に貫く、「六本木通り」の南側には、都心を代表する高級マンションや邸宅街が居並ぶ。「六本木ヒルズレジデンス」に「泉ガーデン」、都心有数の閑静な住宅街「六本木5丁目」など。もちろんこれは偶然ではない。尾根の斜面にあたる一帯は、南を向いたひな壇の先端、つまり日当たりと眺望に最も恵まれた特等席のようなポジションであるからだ。そして、そのなかでも歴史の古いラグジュアリーレジデンスのひとつが「アークタワーズ」である。



「アークタワーズ」は1986年築

「アークタワーズ」の所在地は、港区六本木1丁目。隣の「サントリーホール」が赤坂1丁目である。だから、丁目の数値だけをみれば、六本木と赤坂のスタート地点が「アークヒルズ」ということになる。交通アクセスは、東京メトロ南北線「六本木1丁目」駅から徒歩2分。同日比谷線「神谷町」駅からは徒歩7分、同南北線・銀座線「溜池山王」駅から徒歩8分、同千代田線「赤坂」駅から徒歩10分である。

サイン

サイン


建物はEAST(地上25階)、WEST(地上22階)、SOUTH(地上6階)の3棟構成。戸数はそれぞれ273戸、147戸、30戸。設計は森ビルと竹中工務店。施工は竹中工務店で、1986年3月に竣工。この春で27年目を迎える。

「アークタワーズ」の特徴のひとつは、敷地を囲む外周の三方道路すべてが桜並木であること。四半世紀を過ぎた桜の木々は、アーチのように生い茂り、春にはお花見の名所ともなる。この桜を借景にする3階住戸の部屋が、たまたまクリーニング期間にあったので、内覧させてもらった。次ページ以降でご覧いただこう。

スペイン坂

スペイン坂


エントランス

エントランス