高級賃貸マンションにおける「コミュニティ」の実態

「六本木ヒルズレジデンス」で行われた入居者向けアロマセミナー

「六本木ヒルズレジデンス」で行われた入居者向けアロマセミナー

マンションが「コミュニティ」に関心をみせはじめたのは、ここ数年の傾向。スケールメリットをソフト面でも活かせる大規模物件が増えたことに加え、世間一般が震災後、「絆」といいだしたことで一気に表面化した。

とはいえ、マンション内のサークル活動と聞いてまずイメージするのは、子育て世代の多い郊外物件。都心の高級マンションにおいて「コミュニティ」は、やや縁遠いキーワードだと捉えられていた。ましてや、“一時的な住まい”である賃貸マンションはなおさら。だが、そんな先入観を覆す高級賃貸が存在する。「愛宕グリーンヒルズ フォレストタワー」だ。

きっかけは、フロントで目にした1枚のチラシ。入居者限定で近所のレストランを貸し切って「ワインの試飲会」を開催するという。てっきり開店PRか何かだろうと思っていたら、この手のイベントはごく頻繁に行っているのだとか。参加のほどを尋ねたら、朝から応募をはじめ、昼過ぎには定員30名がうまったそう。にわかには信じ難い盛り上がりようである。

「ここにしかない資源」を活用

MORI LIVING コンペ

MORI LIVING コンペ

年1、2回開催する森ビルのゴルフコンペには、さまざまな賃貸マンションから約50名程度が参加する。ご存知のとおり、森ビルが管理運営する物件は、「アークヒルズ」や「六本木ヒルズ」、「元麻布ヒルズ」といった有名どころのプロジェクトをはじめ、約2,300戸もの賃貸住戸が現存するのだが、「愛宕グリーンヒルズ フォレストタワー」からの参加者が、多いときでコンペ全体の9割近くを占めることがあるそうだ。

物件案内パンフレットもユニーク。春、夏、秋、冬と称して、そのときどきのイベントがこと細かく解説されている。春は、「花見ウォーキング」(今年の参加者は総勢およそ50名)、夏は「東京湾花火大会」(希望者が多すぎて、スカイデッキでの見学は時間(交替)制を取らざるを得なかったそうだ)、秋は、外国人顧客の評判がとくに良い「坐禅体験ツアー」(現地隣の「青松寺」で開催)、そして冬には「サンタクロースデリバリー」や「天体観望会」が開かれる。

「コミュニティは、イベントの数次第ということ?」。そう捉えるのは早計だ。企画は入居率がまだ5割に満たない時期に、「どうしたら魅力的な住まいになるか」をロケーションや建物の特徴を熟慮し、生まれたアイデアが多い。年々改良を重ねているから参加者の満足度も高くなる。ちなみに「天体観望会」は、入居者に天文学者の方がいたことからスタートしたという。「手作りであること」「ここにしかない資源を活用したオリジナルであること」がポイントといえそうだ。
「愛宕グリーンヒルズ フォレストタワー」スカイデッキ

「愛宕グリーンヒルズ フォレストタワー」スカイデッキ