「サンタクロース」は何語で話す?

フロントに立つ上林弘光さん

フロントに立つ上林弘光さん

「愛宕グリーンヒルズ フォレストタワー」は、最上階に「スパ」や「レストラン」が、その下階には「健康相談室」を設けている。世界一を受賞した有名シェフや、医師も待機されているのだが、スタッフ全員を称して「チーム愛宕」と呼び合うほど結束力が強いそうだ。

なかでも、マンションの顔ともいえるのがフロントの上林弘光氏。「サンタクロースの役を2年続けてやりました。さまざまな国のお子さまにプレゼントを届けたのですが、ちゃんとオランダ語で話しかけましたよ。うっかり英語を使おうものなら、子どもたちの夢を壊しかねないですからね」。

「ホテルは短期滞在だが、賃貸マンションは長期のおつきあい。徹底的に向き合いことからはじめます。家族の一員だと思うくらいがちょうどいい」と上林さんとはいう。例えば、「朝一番に天気を確認します。日中から雨が降りそうだとわかったら、あらかじめカウンターに傘を並べておくんです。そして、外出していく人たちにこちらから声をかけ、お持ちでないなら手渡していく。『貸してください』といわれてからやっても、それはサービスのうちに入らない」。

核心は「言葉」と「気配り」

ほんの数分の撮影の合間にも、道行く人が次々と上林さんに声をかける

ほんの数分の撮影の合間にも、道行く人が次々と上林さんに声をかける

上林さんは、1969年~2001年の間、欧州やニュージーランドで海外居住と企業経営の経験がある。さらに、スイスの学校で1年間ホテル学を習得した経歴の持ち主。外国人滞在者としての立場、経営者としての立場、そして学問としてのホテルサービスを知り尽くした人物だ。

「ホテル業において、顧客満足を得るに欠かせないのが『言葉』。これはスイスで教わりました。残念ながら日本人はあまり得意じゃない。でも、日本人は『気配り』ができる」。最近は、ホテルの「コンシェルジュ」という職種をマンションでも使う場合が増えたが、「私は少し意味合いが違う気がしています。あえていうなら、私たちの立ち位置は『バトラー(執事)』。公私にわたり、つねに気を配ることが仕事だと考えています」。

こんなエピソードも話してくれた。経営立て直しのために、日本に派遣されてきた外国人トップが疲れ果てて、深夜1時に帰宅。「ひと声慰労の言葉をおかけしたら、日本でのビジネスがいかに難しいか、悩みを語りはじめたのです。聞いてもらえる人がいなかったんでしょう。気付けば2時間近く経っていました」。踏み込んだアドバイスはしない。距離感が絶妙なのだ。「帰国されてからも、メールでやりとりするなど関係が続いている人が多いですよ」と上林さんはいう。竣工から10年。主とバトラーの関係が復活する(再入居)ケースも珍しくないそうだ。

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