軽量化の傾向に一石
興味深いのは、PRGR(プロギア)です。ヘッド重量に着目し、「egg impact(エッグ インパクト)」というドライバーを今年の4月に発売します。ヘッド重量は市販されているモデルの中でも最重量クラスの205g。そのかわりと言ってはなんですが、シャフトの長さを43.5インチと短く設定し、振りやすさが考慮されています。
一方で同じ「egg(エッグ)」ブランドで、「egg bird(エッグバード)」というモデルもラインナップされています。このモデルのヘッド重量はなんと170gの超軽量。46.5インチとシャフト長を伸ばして飛ばす設計です。
つまりヘッド重量の軽いものと重いものをラインナップ。正反対の設計コンセプトを持つクラブを同ブランドで展開するという大胆さです。ゴルファーは、各々がマッチする方を選択します。これだけはっきりとした選択肢があることは、合う合わないもはっきり出ることでしょう。
日本メーカーのドライバーは、ヤマハ「impresX Vシリーズ」などのように200g近くあるものもありますが、むしろ例外的で、やや軽めの190g前後くらいのものが多いです。これは、主力ユーザーとなる年配ゴルファー層の体力に合わせて、少しずつ軽くなる傾向があると言えそうです。
ヘッド重量が軽いと、スイングバランスを合わせるためにシャフト重量やグリップの重量は軽めになります。グリップの重量は標準的なものに比べて10g以上軽くなっているものもあります。これは、スイングバランスを気にするゴルファーが多いからでしょう。こうしたゴルファーのためにいわば数字合わせのためにグリップ重量が軽くなっている点は見逃せません。結果的にスイングバランスは同じでもかなり総重量の軽いドライバーになってしまいます。
日本の多くのゴルファーは軽いこと、振りやすいことが高評価につながります。試打結果なども良くなったりするので難しいところなのですが…。
振りきれる範囲で重いクラブを選択する、というのはクラブ選びでよく言われるセオリーです。軽いクラブに慣れてしまうと、身体が楽をしてしまって手でヒョイッとあげてしまう、いわゆる手打ちになってしまったりします。軽くすればするほど飛距離が落ちてしまうゴルファーも多く存在します。そうなるともう悲惨です。重いクラブにチェンジするのも難しくなってくるでしょう。
「XXIO7(ゼクシオ セブン)」の人気は、こうした軽量化の傾向の中で、あえてヘッド重量を上げ、またその分バランスポイントを手前に持ってくる純正シャフトの採用でバランスを取っていたことが高評価につながったと分析します。
いわば重量に関して、揺り戻しが起きたというべきで、ドライバーのヘッド重量が今後どのように推移するのか注目されます。ちなみに、おすすめはやはり振り切れる範囲で重いもの。手打ち矯正のためには、少し重すぎるくらいのドライバーを振ってみても良いのではないかと思います。ぜひ試してみてください。
<参考サイト>
「ファン待望! XXIO 7(ゼクシオ セブン) 発表!」