予防接種・ワクチン/その他の病気の予防接種

A型肝炎ワクチンの接種・時期・副作用

肝炎を起こすウイルスのうち、A型とB型に関しては予防接種があります。A型肝炎は経口感染する肝炎です。生活環境の整備で、A型肝炎は減りましたが、油断のできない感染症です。A型肝炎ワクチンについて説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

A型肝炎とは

A型肝炎は、A型肝炎ウイルスによって起こす肝炎で、ほとんどが急性です。子どもの場合80~95%は不顕性感染と言って、症状が出ずに感染しています。

子どもの場合は、発症しても発熱と黄疸で比較的軽いのですが、成人でA型肝炎に感染すると、75~90%が発症し、38度以上の高熱、黄疸、全身倦怠感、下痢に食欲不振が起こり、治癒までに1~2ヵ月もかかってしまいます。A型肝炎に罹る人は主に30歳から50歳代の男性に多いと報告されています。まれに肝臓の機能が低下する劇症肝炎の報告もあります。

A型肝炎ワクチン

A型肝炎ワクチン

A型肝炎ワクチンです(化血研提供)

ウイルスをサルの腎臓の細胞を使って増やして、処理する不活化ワクチンです。

0.5mlずつ、2~4週間間隔で2回、筋肉内か皮下に接種し、初回接種から24週(約6ヵ月)後に追加接種になります。

最初で2回で、十分免疫を獲得でき、3回目が事情で約6ヵ月後に接種できなくて30ヵ月(2年半)たってから接種しても、十分感染防御ができます。しっかりと3回接種することで、5年以上は抗体が維持されます。

A型肝炎が流行している地域(例えば、インド、フィリピン、韓国、インドネシア、中国、パキスタン、タイ、カンボジア、ネパール、マレーシアなどのアジアの国々)に旅行、出張など長期滞在の場合に推奨されるワクチンです。

子どもの場合は、感染しても症状が軽いこともあって、現時点ではワクチン接種は認められていませんが、現在、厚生労働省のワクチン接種の承認待ちの状態です。(2013年3月より16歳以上という年齢制限は撤廃されました)

A型肝炎ワクチンの副作用

微熱、じんましん、注射部位の痛み、赤み、腫れ、倦怠感、頭痛、下痢、筋肉痛が約6%見られます。

A型肝炎ワクチンは、現在は、A型肝炎になっていない人で、主に東南アジアに旅行などの予定のある成人に勧められるワクチンになっています。
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