渾身の次世代SUV
マツダがパワートレーンからボディ、シャーシまで含めて推し進める「スカイアクティブテクノロジー」は、まさに社運をかけた次世代技術だ。その柱は「エコ」であることは間違いないが、クルマだけでなく同メーカーのサステナビリティをも左右する基礎技術のブラッシュアップも含んでいる。
アイドリングストップ付のクリーンディーゼルエンジンが最大の注目点で、「スカイアクティブテクノロジー」の全部のせとして初めてリリースされたCX-5は、同技術がマーケットに受け入れられるか重要な役割を担っている。
発表1か月で受注は8000台。これは月間販売計画1000台の8倍に相当する。ディーゼルの比率が70%を超えたことも考えると、まずは絶好のスタートを切ったといえるだろう。しかもCMを流す前でのこの台数は立派だ。
注目のクリーンディーゼルは?
前置きが長くなったが、ガソリンとディーゼル、2WDと4WDを乗り比べての結論は、「これはディーゼルが売れるわけだ!」というもの。最大トルクは2000rpmで420Nmと、インプレッサWRX STIやランエボ並みなのもスゴイが、パーシャル域からすぐに欲しい加速が瞬時に得られるため、急な登り坂でも苦もなく加速していくのには驚いた。しかも、そこまで回すことはあまりないが5000rpm近くまで息切れせずに、というのはうれしい意味でディーゼルらしからぬ持続力がある。
気になる音と振動は、前者に関してはアイドリング時や登り坂など負荷が強めにかかっている際に「カラカラ」と乾いた音がするものの、ほとんど気にならない。後者も同様で、ガソリンと比べれば多少ラフさはあるが、十分に許容できる。ディーゼルエンジンは、静粛性が気になるからという理由で敬遠する手はないだろう。
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