銀座四丁目交差点近くに鎮座する「竹葉亭 銀座店」
東京の一等地、銀座の象徴の一つである和光。その斜め向かい、地下鉄銀座駅A5出口を出てすぐ右手に、うなぎの名店「竹葉亭 銀座店」があります。竹葉亭の本店の場所は、新橋・汐留エリア寄りの銀座8丁目です。旧地名をあえて付けている「木挽町本店」は、大正時代からそのままの姿を今に伝える離れの茶室や座敷があり、値段も上がります。こちらの連載の1つの基準であるランチ2000円以内では少し無理がありますので、今回は特別に支店である「竹葉亭 銀座店」をご案内します。しかし、銀座の中央通りと晴海通りが交わる銀座四丁目交差点、地価を考えてもすごい立地ですね。お昼時には、外に行列ができていることもしばしば。うなぎの縦看板、暖簾(のれん)からも老舗感が伝わってきます。
創業は1866年(慶応2年)
竹葉亭の創業は、1866年(慶応2年)。現在の新富町で、刀預かり所を役目とする「留守居茶屋」がそのスタートです。その10年後、1876年(明治9年)の「廃刀令」により、留守居茶屋から酒やうなぎの蒲焼きを提供する店へと変わります。大政奉還が1867年なので、同店の創業は江戸時代が終わる前年ということになります。そんな1866年とは、いったいどんな年だったのでしょうか……。坂本龍馬襲撃事件、いわゆる「寺田屋騒動」が起こります。妻・お龍の察知によって暗殺を逃れた龍馬は、その後薩摩(鹿児島)へと脱出。しばらくは同地にて湯治などで静養しますが、このお龍との旅が“日本初の新婚旅行”と言われています。
その他、薩長同盟が成立、幕府軍による第二次長州征伐が行われるなど、内戦の空気が色濃く感じられる出来事が頻出。やはり幕末ですね。また、江戸時代最後の将軍、徳川慶喜が第15代将軍に就任しています。
世界に目を向けると、ロシアではドストエフスキーによる「罪と罰」が連載スタート、ノーベル賞提唱者、アルフレッド・ノーベルがダイナマイトを発明したのもこの年のこと。
そんな“武士の時代”が終わりを告げようとしている最中、竹葉亭がその歩みを始めます。
では、銀座エリアを中心に展開するうなぎの名店へと参りましょう