スペシャル感の強いラグジュアリー4ドアクーペ
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はメルセデス・ベンツCLS(旧型)を取り上げたいと思います。キセノンヘッドライトは、ステアリングを切る角度と車速に応じて照射方向を進路方向へ自動的に変えてくれる機能付き。スリーポインテッドスターの位置はボンネットの先端にある旧型Eクラスセダンと異なり、フロントグリルの中央に配されています
デビューは2005年2月。旧型Eクラスをベースにしながらも、まったく別の、クーペのようなスタイリングを持つ新しい4ドアラグジュアリーカーとして登場しました。後にフォルクス・ワーゲンがパサートCC、アウディがA5スポーツバックを投入するなど、消費者にとっては新たな4ドアセダンのバリエーションを増やしてくれた車とも言えます。
4ドアのハードトップという手法自体は、その昔にトヨタカリーナEDなど日本の自動車メーカーも得意でしたが、ここまでクーペ風に作られていたかというと……。ましてや、あのメルセデス・ベンツが!と当時思われた方も少なからずいるのではないでしょうか。
スタイリングだけでなく、インテリアもベースのEクラスとは異なります。特に後席は、定員が4名のラグジュアリーカーですから、左右がセパレートされ、座るとちょっと贅沢な気分に浸れると思います。
旧型Eクラスとホイールベースは同じで、全長や全幅はほんの少し大きい程度。ただし全高はCLSのほうが低くなっています。左右のウインドウ部分の天地はかなり狭くてドアが高い分、囲まれ感が強く後席の着座位置はEクラスよりも低めに感じます
しかも定員が1名減っているにも関わらず、新車時価格はEクラスより上。例えばE500アバンギャルドが949.2万円なのに対して、CLS500は1029万円です。しかしデビューから7年が経ち、新型が登場して中古車市場にも出回るようになったため、ようやく最安値が100万円台に突入してきました。
原稿執筆時点での最安値は168万円のCL500(2005年式/11.5万km/修復歴なし)。5万km以内のCL500をお探しなら219万円(2005年式/4.8万km/修復歴なし)から見つかります。とはいえベース車であるEクラスより相場は高め。もしお手頃感や実用性で選びたいなら、Eクラスをオススメします。
ただし、スペシャル感も大切にしたいのなら、この価格になってきたCLSのほうを検討されてはいかがでしょうか。Eクラスよりはややスポーティな味付けながら、高い直進安定性とフラット感はやはりメルセデス・ベンツらしいもの。それでいて車庫に収まっている時、あるいは旅先での駐車場で乗り込む前、さらにインテリアを眺めている時などに、Eクラスでは味わえない高揚感が待っています。
CLSの魅力を次ページ以降でもう少し見ていきましょう。