焼酎/米焼酎

芋焼酎より古い球磨焼酎(米焼酎)、人気蔵リポート(7ページ目)

世界の自由貿易を守る機関である「世界貿易機関(WTO)」のTRIPS協定(知的所有権に関する協定)で、「地理的表示に関する表示基準」に指定されている伝統の熊本県の米焼酎「球磨焼酎」。シャンパーニュやボルドー、コニャック、スコッチウイスキーと並ぶブランド酒だ。人気の蔵元を訪ねた。旅行者にも買いやすいショップもご紹介。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

自家栽培の無農薬米からできる、豊永蔵

豊永

豊永酒造の入り口を飾る看板

看板やエントランス、蔵内のしつらえや麹室のステンドグラス、5年前に新しく作り変えたという石壁など、いたるところに温かみとセンスを感じる豊永酒造。洗練された味わいにファンも多い。

 

豊永

青空に映える煙突。蔵前に広がる自社田んぼを見下ろしている

昔は、都川と創業者鶴松の名からつけられた「都鶴」の名で親しまれており、蔵のシンボルである煙突にもその名が刻まれ焼酎蔵の風情をかもし出している。

無農薬で自らが作る米への思い入れ同様、大切にしているのは「蒸し」と説明してくださるのは代表社員の豊永史郎さん。かの上原浩先生に学び、清酒とまったく同じように丁寧な蒸しを行うことをモットーとしている。

 

豊永

麹室の前で、説明をしてくださる豊永史郎代表社員

そのせいか、豊永蔵の味わいは、いつもクリーンで透明感があって、きよらかでなめらか。それでいて余韻の長い、深い味わいを楽しませてくれる。この日テイスティングさせていただいた「無濾過 自我田」もまさにそういった味わい。1800mlが1000本(3000円)、720mlが500本のみ(1500円)の限定生産のこの焼酎は、すでに全国のコアファンの元に旅立っていった残りの1本だった。
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