世界に誇るブランド焼酎、球磨焼酎

マップ

球磨焼酎マップ

シャンパーニュやボルドー、コニャック、スコッチウイスキーと同じように世界貿易機関(WTO)で認められた、地理的表示ができるその土地の個性が生きた伝統文化酒である「球磨焼酎」。「球磨」は「くま」と読む。こう説明しないと読めない人もいるほど、残念ながら知られていない。しかし、その製法や歴史、伝統に培われた飲み方、地域の食と環境との深いかかわりで生まれるこの酒は、間違いなく日本人が誇れる国酒なのだ。2011年11月に「球磨焼酎大使」に任命されたことを機に、球磨焼酎とのかかわりが深くなった。今年2月に現地のお蔵数社にうかがった際のレポートをご紹介したい。


清流「球磨川」とその支流、豊かな棚田に培われた球磨地方

熊本県の南部に位置する球磨地方は、人吉市を中心とした人口4万人弱の盆地。最後の清流といわれる球磨川とその支流から、四方に広がる山々にかけて、豊かな棚田が果てしなく広がる一大穀倉地帯。500年前にこの地を治めていた相良藩は、米からできる蒸留酒造りを奨励しそこから米焼酎の技術が発達したのだ。芋が日本に渡来し定着したのは1600年代。つまり、球磨焼酎は芋焼酎よりも古い歴史を持っているということなのだ。「くま」とはどうやら「こめ」からきているらしい。自慢のお蔵を紹介しよう。


「温泉焼酎」の大和一酒造元

大和一

ジンジャーボンバーのポスターとともに下田文仁さん

鉄道ができてからこの地に移り焼酎造りをはじめた大和一酒造の創業は明治31年だ。昭和40年当時から手作り仕込み容器を使用し、「スッポン仕込み」を行う。

 

大和一

手作りの蒸留釜。「下田流」と名がつけられている

球磨焼酎の基本は二段仕込み。一次仕込みで蒸し米と米麹と酵母と水を入れ微生物活動が十分に行われたあと、二次仕込みとしてさらに蒸し米と水を入れ、スムーズに発酵をうながすというスタイルが一般的。「スッポン仕込み」は、二次仕込みの容器で一次仕込みを行う方法なのだとか。

 

大和一

温泉の味わいは、なめらかでやさしい味わい

代表社員の下田文仁さんいわく、「米の蒸し方も“ヌケガケ法”といいます」と自社ならではの製法を説明してくださる。なぜヌケガケなのかはわからないとか(笑)。なにしろこのお蔵はオリジナリティあふれているのだ。たとえば、自社製の常圧二段蒸留機や昔ながらのカブト釜を使った蒸留にトライしたり、地下から湧き出る温泉水と黄麹を使った「温泉焼酎」や、ミルキーなフレーヴァーの牛乳焼酎や、有機栽培のしょうがを用いたその名も「ジンジャーボンバー」などポップな商品など意欲的に生み出している。