療養食・食事療法/その他の病気の療養食・食事療法

疲れやすい人は食事で体質改善

病気ではないけれども何となく元気がなくて疲れやすい……という人もいると思います。マッサージをしてもらったり、栄養ドリンクを飲んだりすれば一時的な改善になるかもしれませんが、毎日の生活を充実させるためにも食生活を少し見直して体質を改善したいものです。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

疲れ

なんで毎日だるいんだろう…

疲れやすい……と日頃から感じている人は多いようです。「もう年だから…」など何かのせいにしてませんか?毎日の食生活も疲れやだるさに関係しています。食生活を少し工夫することで、体の持つ活動のパワーを改善することができます。

食生活のポイント

特に女性に不足しがちな鉄分、しっかり取れてますか?
鉄は酸素を細胞に運ぶという重要な役割があるので、不足すると疲れなどの症状がみられます。

ダイエットによるガソリン不足
ダイエットがエネルギー不足を引き起こし、だるさの原因になることがあります。ガソリンが不十分だと疲れやすくなります。

食事をエネルギーに変えてくれるビタミンB群
ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに、ビタミンB6はタンパク質や脂質をエネルギーに変えるのに欠かせません。ビタミンB2は、これらのビタミンが機能するのに欠かせません。活動エネルギーのスムーズな生産にはこれらのビタミンが全て必要です。ビタミンB群が豊富な食品を意識して食べましょう。

マグネシウムで疲れやエネルギー不足を改善
マグネシウムは、筋肉・神経・骨などの健康を保つ働きがあり、体の活力であるエネルギーの生産にも役立っています。マグネシウムには非常に多くの役割があり、その一つは食事を活動のエネルギーに変えてくれることです。マグネシウムが不足すると、疲れの原因となったり、イライラしたり筋肉が弱ったりします。

甘いものの過剰摂取は疲労の原因にも
不足しやすい栄養に気をつけることは大切ですが、取りすぎると逆効果になる場合もあります。甘いお菓子やスナック菓子などには精製された炭水化物が多く含まれ、食べ過ぎると血糖値を急激に上げたり下げたりします。その結果、食後すぐは元気が出ても、しばらくすると一気に疲れを感じたりします。食事の代わりにお菓子を食べる人や、朝食や昼食を菓子パンなどでさっとすませてしまう人は要注意です。

全体的な栄養バランスに注意
元気な体作りには体を作る良質なタンパク質、活動のエネルギーとなる良質な炭水化物・脂質、調子を整えるビタミン・ミネラルの十分な摂取が欠かせません。全体的な栄養バランスが悪くては、疲労回復どころではありません。良質なタンパク質は魚や脂身の少ない肉・豆類に、良質な炭水化物は雑穀米や雑穀パンに、良質な脂質はオリーブ油やキャノーラ油などに含まれます。

おすすめ食材

マグネシウムが豊富
そば、ほうれん草、オート麦、豆腐、大豆、雑穀パン、玄米、オクラ、アーモンド、カシューナッツ、納豆、バナナ、アボカド

ビタミンB1が豊富
豚肉、雑穀米、雑穀パン、グリーンピース、豆類、ナッツ類

ビタミンB2が豊富

卵、レバー、乳製品、小麦胚芽、アーモンド、納豆、魚、濃い緑の野菜、鶏肉

ビタミンB6が豊富
じゃがいも、バナナ、豆類、オーツ麦、肉、魚、ほうれん草、アボカド、大豆

鉄が豊富
大豆、ほうれん草、カキ、レバー、えだまめ、納豆、小松菜、レーズン

鉄分摂取ここがポイント!
動物性に含まれる鉄のほうが、植物性のものより効果的に吸収されます。しかし、大豆やほうれん草など植物性の食材も、動物性のタンパク質とビタミンCと一緒に摂取することで吸収が改善されるので、好みに応じて工夫しながら摂取しましょう。

また運動をすることによって疲れやだるさが改善されるケースは多く報告されているのでエクササイズも大切です。
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