冬に人気の「鳥鍋御飯」、食べ放題の白菜も欠かせない存在
年季を感じる引き戸を開けると、古き良き下町の居酒屋のような空間が広がります。1階はテーブル席と、奥にカウンター、2階には広いお座敷があります。この日友人と2人で訪れたのは13時過ぎ、ランチタイムをずらしたことで、1階のテーブル席に通されました。壁に貼られた手書きのメニューも“いい味”を醸し出しています。結構ランチメニューも豊富です。鳥徳で寒い冬場に人気があるのが、「鳥鍋御飯」(1000円)です。友人は迷わずこちらをチョイス。私は過去に食べていたので、この日は以前から気になっていた「きじ焼重」(750円)の大盛りをオーダーしました。
鳥鍋御飯は、鳥肉、モツ、豆腐、白たき、ネギが入ったすき焼き風の鍋で、オーダーの際に卵を入れても大丈夫かどうかを聞かれます。「入れてください」と即答の友人。しばらく待つと、具材がグツグツと煮たった熱々の状態で提供されます。底の浅い土鍋の中央には、これまた食欲をそそる生卵が……冬場の人気、納得の“顔”をしています。
一方の「きじ焼重」。つけだれがしみ込んだ濃い色合いの鳥肉に、グリーンピースが添えられ、こちらも負けじといいビジュアルです。大盛りは、ご飯ではなく「きじの大盛り」でお願いしていたので、食べ応えも十分ですね。大盛りの料金はプラス100円なので、トータル850円。
私が巡る老舗店には、この値段は“老舗料込み”か?と思ってしまう高い料金設定の店もありますが、こちらはかなり良心的な一店だと思います。
また同店には名物とも言える「白菜の漬物」があります。各テーブル、カウンターにしっかり盛られた漬物は食べ放題。
常連らしき方々は、勝手知ったる感じでお重の蓋をひっくり返し、そこに食べる量だけ漬物を取り置きます。各料理に付いてくる鳥スープとともに、同店ではお口直しに欠かせない存在です。
ランチタイム人気No.1は「B弁当」
豊富なランチメニューの中で、同店一番人気は「B弁当」(980円)です。こちらは2段のお重で、1つのお重にはご飯がびっしり詰まり、おかずのお重には焼鳥3本に玉子焼き、一口カツが2個入っています。以前私が食べた際には、焼鳥3本は塩、たれ、つくねが入っていましたが、こちらはお好みで変更が可能です。ボリュームもありますね。ちなみに「A弁当」(800円)は、きじ焼とつくね焼のお重で、「C弁当」は、B弁当の2段に、さらにうなぎのかば焼のお重が加えられた3段のお重で、2800円。私の連載の1つの基準である2000円以内からはみ出てしましいますが、満足度はかなり高い一品かと思います。
もともと焼鳥からスタートした同店。うなぎの取り扱いは大分後のことだといいます。2012年3月現在うなぎの高騰により、鰻重・松(上)が2700円と以前より高くなっています。1400円の同店の鰻重・梅(並)は現在提供を控えているなど、うなぎの稚魚不漁は深刻なようです。老舗店が多い“うなぎ専門店”の今後の動向が気になりますね。
店頭の小窓に掲示されるメニュー
下町民家のような飾り気のない店内に、これまた温もりを感じるフランクな接客も心地いい同店。20世紀がスタートした頃から脈々と営業を続ける、オフィス街の中でホっとできる空間でランチはいかがでしょう?
■茅場町鳥徳(とりとく)
住所:東京都中央区日本橋茅場町2-5-6
TEL:03-3661-0962
営業時間:11:00~14:00、17:00~22:00
定休日:土・日・祝
地図:Yahoo! 地図情報