被災した女性たちの働く場を作る手仕事
大槌復興刺し子プロジェクトで作られているコースター。
東日本大震災の被災地では、被災した人が、仮設住宅や借り上げ住宅に移り、復興に向かって様々な支援活動が行われています。その1つとして、注目したいのが手仕事です。
手仕事は被災した人にどんな力を与えるのでしょうか。そして、被災地にどんな変化をもたらすのでしょうか。
目的の1つは、女性たちの雇用です。津波で家や仕事を失った人の多くは沿岸で漁業や水産加工などの仕事に携わっていました。男性は、町のがれき撤去や漁業の復興などで新たな仕事を見いだすことができても、浜で水揚げの手伝いをしていたり、加工工場などで働いていたりした女性たちは、なかなか新しい仕事を見つけることができません。
女性たちが手仕事での製品を作ることで雇用を生み出し、その収益を収入の糧にすることができるのです。
もう1つ、私たちができる支援として販路を提供するということもあげられます。取り組みをしている団体によっては、カフェやフェアトレードショップなどでの販路を募集していることもあります。手作り品を置き、販売することを通じて被災地支援に役立つこともできるというわけです。
手作りの"場"が心を支援する
同時に手仕事は、心の支援にもつながります。手仕事の多くは仮設住宅の集会所など、多くの人が集まる場で行われていますので、そこに、女性たちが集うことで、新たなコミュニケーションの場ができるのです。皆が集まって手を動かしながら、話をしたり、情報交換をしながら作業をすれば、仮設住宅で孤独に陥りがちな被災者の人たちの心を支援することにもつながっていきます。
また、60代、70代という年配の方にとって、生活の中に手を動かした物作りや、針仕事が当たり前にあった世代です。洋裁や和裁を仕事にしていた方も多いでしょう。その技術を、いま改めて生かし、それが収入にもつながることで、新しい生き甲斐にするという面でも被災した人たち応援していくことができます。
ではどんな手仕事があるのでしょうか。詳細は次ページで!