レジェンドプレーヤーの生誕100年!
ベン・ホーガンは、自らの名前を冠した上級者向けクラブのメーカーを立ち上げ、クラブ開発の面からも後世に大きな影響を与えた。写真は「Ben Hogan Personal」
PGAツアー歴代最多の通算82勝のサム・スニード。11連勝を含む年間18勝をあげたバイロン・ネルソン。そして、グランドスラマー(メジャー4大会ですべて勝利)であり、現在もベストスインガーとして、ゴルフレッスンにも多大な影響を与えるベン・ホーガン。まさにレジェンドと呼べるプレーヤーです。
ゴルフ界の偉人は、それ以前にも多く存在しますが、この3人はそのプレーを見たことがある人がまだ多く存命である最後の世代かもしれません。それだけに現在のプロゴルフシーンでも、その功績は折々で語られています。
ゴルフの歴史に残る偉大なプロゴルファー三人が同い年であることに驚きを禁じえません。
歴史は、記録し語り継ぐことで歴史になります。どちらかと言えば馴染みの薄い日本のゴルファーでも、彼らの名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回は、偉大な先人に敬意を表して、メジャー大会(マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロ)の優勝回数を手がかりに、過去の名手を振り返り、また現代のプロゴルフ界でその後継者となるような新たな旗手を紹介したいと思います。
ベン・ホーガンの覇権の後、登場するのがアーノルド・パーマーとジャック・ニクラウスです。
パーマーは、絶大な人気を誇り、マネージメントや自身のブランド展開など、現代のスポーツビジネス隆盛の起源ともいえる人物です。もちろんプレーヤーとしても超一流。なぜか、全米プロに勝てずグランドスラム達成はなりませんでしたが、メジャー7勝をあげています。
ジャック・ニクラウスは、誰もが認めるニ十世紀最強ゴルファー。メジャー18勝は歴代最多。その中には、青木功プロと死闘をくりひろげた80年の全米オープンや46歳で逆転優勝した86年のマスターズも含まれます。
その同時代には、ゲーリー・プレーヤーやリー・トレビノといったトッププレーヤーも。南アフリカ出身のプレーヤーは、メジャー9勝のグランドスラマー。トレビノは、メキシコ系アメリカ人で“スーパーメックス”と呼ばれました。フェードヒッターで、ドローヒッターに有利なマスターズ開催コース、オーガスタナショナルにクレームをつけたことも有名です。結局、マスターズには勝てず、それ以外の3大会でメジャー6勝をあげています。
このようにメジャー大会で勝利することが、超一流プレーヤーの証しです。メジャーの権威がプレーヤーを評価する絶対的な物差しになっています。
しかし、メジャーで8勝をあげているトム・ワトソン以降、メジャー大会に複数回勝利する選手は少なくなりました。それは、技術の高い優れたプレーヤーが増えたからです。世界ランキング1位を331週保持し、一時代を築いたグレッグ・ノーマンは、2位が8回ながらメジャー2勝。メジャー大会で勝利することの難しさを表しています。