土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

管理会社で差がつく、空室対策の善し悪し!(2ページ目)

賃貸物件管理を委託している場合、管理会社の働き方で賃貸経営の成功と失敗が決まるので、良い管理会社の選び方を考えてみましょう。事前にいくつかの管理会社に話を聞いて、仕事内容・印象を比較して選ぶオーナーさんは少数派です。建築会社の言われるまま、たまたま知り合いがいる、地元である、などの理由で頼むケースが大部分です。管理会社の業務を見ていき、良い管理会社とそうでない管理会社の見分け方をお話しします。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

良い管理会社は退去をくい止めようとする

管理会社の重要な役目の一つが、空室対策です。

一刻も早く新たな入居者に入っていただく為に、どのような手を打つか。退去があった場合、管理会社が次の入居者のターゲットを明確にした募集体制をすばやく整えることができるかどうかで、その後の空室期間には大きな差が出ます。入居者が契約更新をしないと決めたとき、「退去します」という一報を受け取るのは管理会社の担当者です。管理会社の良し悪しは、まず退去の連絡を受けた際の最初の対応に表れてきます。

9割以上の管理会社は「はい、わかりました」で終わりにしてしまいます。これは通り一遍の対応といえます。より望ましい対応は、退去の理由を聞き、可能であれば慰留することです。「退去します」という申し出があったならば、まずは「それは残念です。何かわたしどもにご不満がありましたか」と理由を尋ねなくてはなりません。

そのとき、たとえば「家賃が高い」という返答があったとしたら、「ちょっと待ってください。それでしたら私どもで大家さんと交渉してみましょうか」と提案しなくてはなりません。退去する入居者がトラブルメーカーで、早く出ていってほしいといった場合は別として、きちんと家賃を払って、周囲と揉め事を起こすことなく暮らしていた入居者であれば、オーナーさんとしてはそのまま住み続けてほしいはずです。

新たな入居者を募集することになれば、原状回復やリフォームの費用、募集図面の制作や募集に関連する費用など、いろいろなコストが発生します。また、募集してもすぐに空室が埋まるとは限らず、場合によっては数ヶ月の機会損失が発生します。そうしたコストやリスクを考えると、多少の値引きをしてもそのまま現在の入居者に住み続けてもらったほうが、オーナーさんにとってメリットが大きいのです。ですから本当にオーナーさんのことを考えている管理会社なら、ここは「交渉の余地がありますよ」と入居者に伝えなくてはなりません。
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