震災後2年で約4倍 (平成25年3月現在)
2013年3月2日付の朝日新聞によると、震災直後の平成23年6月に1,876だった津波避難ビルは、震災から2年経った平成25年3月には少なくとも7,247棟と、約4倍まで増えたということです(同社のアンケート調査による)。もっとも指定数の多かった都道府県は大阪府の1,503棟で、平成23年6月時点で13棟だったのが116倍に、続いて南海トラフに面する静岡県で682棟から1,199棟へ、愛知県が127棟から819棟に増えたということです。
また震災直後にゼロだった広島県、香川県、東京都もそれぞれ222棟、119棟、95棟を指定するなど、その数は着実に増えているということでした。
法律化された津波対策
旅行先でも津波が起こった場合の避難先を確認しておきたい。
津波発生時に迅速かつ適切な行動をとることで人命の被害を相当程度軽減することができるとし、多くの人命を奪った東日本大震災の惨禍を二度と繰り返さないために、津波対策を万全にする必要がある、としています。
ここでも津波避難ビル等の整備や教育・訓練の実施を行うことを盛りこんでおり、今後も津波避難ビルの件数は増えていくと考えられます。
防災意識を高めることが肝心
今後津波避難ビルとして指定される建物が増えたとしても、地域のみなさんがその存在を知らなかったり危険意識が少なければ役割を果たしません。自治体側で広報誌や報道による周知、標識等の設置、ホームページによる情報提供、津波ハザードマップへの掲載など普及する努力はもちろんのこと、住民の方々においてもワークショップがあれば参加し、地震や津波のメカニズムや危険性を知り、避難の重要性を知っておくなど防災意識を高めておく必要があるでしょう。【関連サイト】
「三国の川辺の森リバーガーデン」(津波避難指定マンション)
「津波避難ビル等に関するガイドライン」(内閣府)
「津波に対し構造耐力上安全な建築物の設計法等に係る追加的知見について」(国土交通省)
「津波避難ビル等」に関する実態調査結果について(国土交通省)
津波対策の推進に関する法律 概要(経済産業省)
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